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Renoise 2.5 の新機能について

パターン・マトリックス:

パターン・ベースのRenoiseのワークフローの中で、欠けていたものがあります。 今までのRenoiseには曲全体を見渡せるような視点の画面がありませんでした。

新たに搭載されたパターン・マトリックス画面は、"トラッカー"としての Renoiseらしさを継承しつつ、この問題をすっきりと解決します。

パターンとトラックは自由に動かせる"ブロック"に分割され、 曲の流れを素早く簡単にマネージメント出来るような環境を与えてくれます。 それはRenoiseならではの自然な進化の形であり、まさしくCOOLな機能です。

matrix.png

以下は、パターン・マトリックス画面の特徴です:

全ての "Meta Devices" でクロス・トラック・ルーティングが可能に

Renoise内蔵のメタ・デバイス("LFOデバイス", "Hydraデバイス" のように 他のデバイスのパラメーターをコントロールするエフェクト)は、 他のトラックにあるデバイスのパラメーターもコントロールできるようになりました。

これにより、1つのスライダーで複数のトラック上のデバイス・パラメーターを コントロールできるようになります(例えば "Hydraデバイス" を使って)。 また、"Key Tracking デバイス" を使えば、他のトラックのノート情報で パラメーターを変化させる事も可能です。

本質的には、どのパラメーターでも他のパラメーターと結び付け変化させる事ができ、 各トラックをさらに深く相互作用させられるようになりました。

cross-track.png

MIDI マッピング機能の飛躍的な改良

Renoise内のほとんど全てのものがMIDIコントローラーにマッピング可能になりました。 再生/停止、パターン/トラック/シーケンス・ナビゲーション、 トラック・ミュート/ソロ等、ライブ・プレイに必要なものは殆ど何でもマッピングできます。

midi-mapper.png

他にもたくさんの改良点があります:

インストゥルメント・グラバー

これはRenoiseレジスト版の便利機能 "Render Selection To Sample" に似た機能で、 VSTi や AUインストゥルメントからサンプル・ベースのRenoiseインストゥルメント(.xrni)を 全自動で作り出す機能です(レジスト版限定機能)。 プラグインの音をサンプル化する事でCPU負荷も下がり、 サンプル用エフェクト・コマンドを使う事もできるようになります。 単に気に入ったプラグインの音を集めてサンプル・ライブラリーを増やすのにも役立ちます。

grabber.png

インストゥルメント・グラバーの特徴:

新しく追加された内蔵エフェクター

Cabinet Simulator Audio FX

device-cabinet.png

18のキャビネット・モデルと味のあるチューブ、EQからなる シンプルなギター&ベースアンプ・シュミレーター。 ギターやベースに限らず、いろんな音の味付けにお勧めします。

Stutter Audio FX

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基本的には、鳴らした音をリピートさせるだけのエフェクターです。 しかし、リピート回数や時間的な間隔をトータルにコントロールすれば ドラム音のバリエーションや奇妙な連続音を簡単に創り出せます。

*Signal Follower Meta Device

device-signal.png

このデバイスはトラックから入ってくるオーディオ信号のレベル変化を読み取り、 パラメーターのオートメーション情報に変換します。 これによりサイド・チェイン的な効果を "どのパラメーターにも" 掛ける事ができます(コンプレッサーだけでなく)。 オート・ワウワウ効果など、簡単に加える事が可能です。

*XY-Pad Meta Device

device-XY.png

このデバイスは2つのパラメーターを X-Yパッドにリンクさせる事ができます。 さらに "Hydraデバイス" と組み合わせれば、ライブ・パフォーマンスの強力な 味方となるでしょう。

オーディオ・エンジンに"オイル"を注入(!?)

今回、ようやく古典的なトラッカーの "Tick" ベースのタイミングから 一般的なタイミング機構に完全移行しました。 この最後の最適化によって、Renoiseのオーディオ・エンジンの 全体的パフォーマンスがほんの少し向上しました(10%までの向上、 古いマシンなら20%くらいは期待できるかも?)。 また、この変更のおかげで、VSTやAUプラグインとの適合性も向上しているので、 プラグインの "static bufffer" オプションを弄る必要性は少なくなるでしょう。

PDC(プラグイン遅延補正)の改良

リアルタイム・プレイバック(曲を再生中にキーボードを弾く)に対して より正確に反応するようになりました。 これにより、遅延の起こるプラグインを使っている場合でも、 レコーディングや即興演奏が簡単にできるようになりました。

オーディオ・プラグイン・クラッシュガード for OSX

Window版Renoiseと同じように、OSX版でもプラグインの動作に異常がある場合、 その災難からの "復旧" を試み、そのプラグインがシステムをクラッシュさせないように エラーメッセージを表示するようになりました。 これにより、どのプラグインがクラッシュを引き起こすかわかります。 また、そのバギーなプラグインを取り除き、曲のバックアップを作るチャンスを得られます。 もちろん、ライブでの災難を回避することにもなるでしょう。

MIDI コードモード・レコーディング

外部MIDIキーボードを弾いてパターンに音を入力する場合、 コードの入力も可能になりました (シフト・キーを押しながらコードを強制的に入力する時と同じように、 コードを押さえれば自動でノートコラムを増やしてくれます)。

MP3 のロードに対応(Linux版)

Linux版でも libmpg123 を使ってMP3をロードできるようになりました。 OGG や Flac 等のロードには外部コンポーネントは必要ありません。 OSX版とWindows版の場合、 MP3のロードには Quicktime がインストールされている必要があります。

ユーザー・インターフェイスの化粧直しとワークフローの小改良

Renoiseは少し化粧直しをしました。ベテランにはより良い操作性を与え、 新しいユーザーには一貫したUI体験を与えるでしょう。

最もわかりやすい変化はトランスポート・コントロール・パネルのクリーン・アップです。 以前はそこにあった、パターンに関連したボタンやアイコン等はパターン・エディター下の 新しいツールバーに移動しました。 さらに、めったに使わないような機能は画面上部の "Option" メニュー内に移りました。

pattern-toolbar.png

その他、GUIとワークフローに関する変更: