パターン・ベースのRenoiseのワークフローの中で、欠けていたものがあります。 今までのRenoiseには曲全体を見渡せるような視点の画面がありませんでした。
新たに搭載されたパターン・マトリックス画面は、"トラッカー"としての Renoiseらしさを継承しつつ、この問題をすっきりと解決します。
パターンとトラックは自由に動かせる"ブロック"に分割され、 曲の流れを素早く簡単にマネージメント出来るような環境を与えてくれます。 それはRenoiseならではの自然な進化の形であり、まさしくCOOLな機能です。
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以下は、パターン・マトリックス画面の特徴です:
Renoise内蔵のメタ・デバイス("LFOデバイス", "Hydraデバイス" のように 他のデバイスのパラメーターをコントロールするエフェクト)は、 他のトラックにあるデバイスのパラメーターもコントロールできるようになりました。
これにより、1つのスライダーで複数のトラック上のデバイス・パラメーターを コントロールできるようになります(例えば "Hydraデバイス" を使って)。 また、"Key Tracking デバイス" を使えば、他のトラックのノート情報で パラメーターを変化させる事も可能です。
本質的には、どのパラメーターでも他のパラメーターと結び付け変化させる事ができ、 各トラックをさらに深く相互作用させられるようになりました。
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Renoise内のほとんど全てのものがMIDIコントローラーにマッピング可能になりました。 再生/停止、パターン/トラック/シーケンス・ナビゲーション、 トラック・ミュート/ソロ等、ライブ・プレイに必要なものは殆ど何でもマッピングできます。
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他にもたくさんの改良点があります:
これはRenoiseレジスト版の便利機能 "Render Selection To Sample" に似た機能で、 VSTi や AUインストゥルメントからサンプル・ベースのRenoiseインストゥルメント(.xrni)を 全自動で作り出す機能です(レジスト版限定機能)。 プラグインの音をサンプル化する事でCPU負荷も下がり、 サンプル用エフェクト・コマンドを使う事もできるようになります。 単に気に入ったプラグインの音を集めてサンプル・ライブラリーを増やすのにも役立ちます。
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インストゥルメント・グラバーの特徴:
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18のキャビネット・モデルと味のあるチューブ、EQからなる シンプルなギター&ベースアンプ・シュミレーター。 ギターやベースに限らず、いろんな音の味付けにお勧めします。
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基本的には、鳴らした音をリピートさせるだけのエフェクターです。 しかし、リピート回数や時間的な間隔をトータルにコントロールすれば ドラム音のバリエーションや奇妙な連続音を簡単に創り出せます。
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このデバイスはトラックから入ってくるオーディオ信号のレベル変化を読み取り、 パラメーターのオートメーション情報に変換します。 これによりサイド・チェイン的な効果を "どのパラメーターにも" 掛ける事ができます(コンプレッサーだけでなく)。 オート・ワウワウ効果など、簡単に加える事が可能です。
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このデバイスは2つのパラメーターを X-Yパッドにリンクさせる事ができます。 さらに "Hydraデバイス" と組み合わせれば、ライブ・パフォーマンスの強力な 味方となるでしょう。
今回、ようやく古典的なトラッカーの "Tick" ベースのタイミングから 一般的なタイミング機構に完全移行しました。 この最後の最適化によって、Renoiseのオーディオ・エンジンの 全体的パフォーマンスがほんの少し向上しました(10%までの向上、 古いマシンなら20%くらいは期待できるかも?)。 また、この変更のおかげで、VSTやAUプラグインとの適合性も向上しているので、 プラグインの "static bufffer" オプションを弄る必要性は少なくなるでしょう。
リアルタイム・プレイバック(曲を再生中にキーボードを弾く)に対して より正確に反応するようになりました。 これにより、遅延の起こるプラグインを使っている場合でも、 レコーディングや即興演奏が簡単にできるようになりました。
Window版Renoiseと同じように、OSX版でもプラグインの動作に異常がある場合、 その災難からの "復旧" を試み、そのプラグインがシステムをクラッシュさせないように エラーメッセージを表示するようになりました。 これにより、どのプラグインがクラッシュを引き起こすかわかります。 また、そのバギーなプラグインを取り除き、曲のバックアップを作るチャンスを得られます。 もちろん、ライブでの災難を回避することにもなるでしょう。
外部MIDIキーボードを弾いてパターンに音を入力する場合、 コードの入力も可能になりました (シフト・キーを押しながらコードを強制的に入力する時と同じように、 コードを押さえれば自動でノートコラムを増やしてくれます)。
Linux版でも libmpg123 を使ってMP3をロードできるようになりました。 OGG や Flac 等のロードには外部コンポーネントは必要ありません。 OSX版とWindows版の場合、 MP3のロードには Quicktime がインストールされている必要があります。
Renoiseは少し化粧直しをしました。ベテランにはより良い操作性を与え、 新しいユーザーには一貫したUI体験を与えるでしょう。
最もわかりやすい変化はトランスポート・コントロール・パネルのクリーン・アップです。 以前はそこにあった、パターンに関連したボタンやアイコン等はパターン・エディター下の 新しいツールバーに移動しました。 さらに、めったに使わないような機能は画面上部の "Option" メニュー内に移りました。
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その他、GUIとワークフローに関する変更: