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Video

10分以内にファットビートを作る方法・その1

 このページの内容は Renoise.com の ■ Fat beat in less than 10 minutes ■ を日本語に訳したものです。



 Shaperという名義で活動しているCelsius氏が、どのようにRenoiseでトラックを作っているかを実演してくれました。ムービーを見ながら、「10分以内にファット・ビートを作り出す方法」を学びましょう。

 彼はRenoiseの上級者なので、初心者にとっては実際彼が何をやっているのかわからない部分があるかもしれません。ですからここで少し解説します。

サンプルのロード

 BeatBattle 5 のサンプルパックをダウンロードして新しいフォルダに解凍してください。Renoise の Disk Browser 画面で、そのサンプルの入ったフォルダ内を表示させます。そこに .xrni や .flac というファイルが表示されるはずです。

 インストゥルメントはたくさんのサンプルを一つにまとめて収納できる容器です。また、インストゥルメント・スロットはソフトシンセやMIDI機器とのコネクターの役割も果たします。一つのインストゥルメントに幾つかのドラム・サンプルをロードする事で、ドラムキットを作成する事もできます。Instrument Editor 画面では、それぞれのサンプルを鍵盤に割り当てる事ができます。このムービー内では、一つのインストゥルメント・スロットに対して、一つのサンプルしかロードしていません。このアプローチのメリットは、サンプルの音程が押さえる鍵盤によって変わる事です。

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 ディスクに保存してあるサンプルやインストゥルメントをロードするには、Disk Browser 画面から右側のボックスへドラッグするかダブルクリックします。この右側のボックスの事をインストゥルメント・リストと呼びます。インストゥルメント・リストはいくつかの番号付けされたサンプル・スロットから成っていて、それぞれのスロットに一つずつインストゥルメントを収める事ができます。

 このムービーでは、"07 kick2.flac" というサンプルをインストゥルメント・スロット 00 にロードして、インストゥルメントを作っています。

インストゥルメントをキーボードで演奏する

 Renoise はコンピューターのキーボードを仮想鍵盤として使う事ができます。例えば、Q キーを押さえると C の音程、2 キーは C# の音程、W キーは D の音程、という感じです。ですから、一旦インストゥルメント・スロットにバスドラム・サンプルを設定すれば、コンピューター・キーボードを使ってそれを演奏する事ができます。キーボードは2オクターブ分が上下に並んでいて、* と / キーでオクターブを変更できます。

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 もしあなたがMIDIキーボードを持っているなら、それも同じように使えます。多少設定が必要なので、Attaching a MIDI Deviceのページを見てください。しかし、ここではコンピューター・キーボードを使う事を前提に解説していきます。

テンポ・メトロノーム・再生

 曲のテンポを140 BPM に設定し、メトロノームをオンにして、再生・停止します。これらは Player Control Panel に並んでいるボタンで設定できます。また、~ キーを押してメトロノームをオン/オフする事も可能です(日本語キーボードでは無理かも?)。再生・停止は最も頻繁に使う動作なので、スペース・キーを押すことで操作できるようになっています。SCROLL LOCK キーを押す事で、再生時にプレイカーソルをスクロールさせるかどうかの切り替えができます。

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 ちょっとアドバイス: 曲の再生中のクリッピングを防ぐ為に、ボリュームの自動調整(Auto-adjust volume)をオンにしておくといいでしょう。画面の左上、マスタースライダーの右隣にそのボタンがあります。

パターン画面にノートを入力する

 Pattern Editor は通常、上書き防止の為にロックが掛かった状態です。録音モードボタンがオフの時、パターンにノートを入力する事はできません。ESCキーを押して、録音モードボタンをオンにし、Pattern Editor の周りに赤いボーダーラインを表示させてください。それがロック解除の目印です。

 ムービーの中では、シンコペーションするドラムパターンを作っています。

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 C-4 は「4オクターブ目の C」という意味です。C の音程を Q キーを押して入力します。もし必要なら、* 又は / キーを使ってオクターブを変更してください。もし入力ミスがあれば、間違った部分にカーソルをもっていって delete キーで削除できます。カーソルは矢印キーで操作します。

選択範囲をコピー&ペースト

 通常の設定では、4ラインが四分音符になります。4/4拍子を作る場合、1小節は四分音符が4つですから、2小節目は16ラインから始まります。

 最初の1小節を入力し終えたら、その小節(00から15ライン)をマウスでなぞるか、SHIFT キーを押しながら上下キーを動かして選択します。CTRL + C で選択範囲をコピー。PAGE-UP 又は PAGE-DOWN キーを使うと、16ライン分上下にカーソルを移動できるので、コピーした選択範囲を素早く16、32、48ラインにペースト(CTRL + V)できます。

別のインストゥルメントへの切り替え

 さあ、バスドラムのトラックは完成しました。次はドラムの他のパートを作ります。2番目のインストゥルメント・スロットに "13 snare2.flac" というサンプルをロードします。

 C-4 00 と入力された場合、00 はインストゥルメント番号を表しています。その番号は Instrument List 画面で振り分けられていて、選択したインストゥルメントによって変わります。もちろん、マウスを使って別のインストゥルメントを選択する事は可能ですが、ショートカット・キーを使って素早く切り替えてみましょう。ALT キーを押したまま上下キーを押します。これならキーボードから手を離さずにインストゥルメントの切り替えが可能です。

新しいトラックへ移動

 ここまでは、Track 01 と名付けられた最初の縦のレーン(トラック)にバスドラムを打ち込みました。では次に、TAB キーを押して Track 02 へ移動しましょう。戻る時は SHIFT + TABキーです。

 Instrument List 画面でスネアドラムを選択し、Track 02 でカーソルを動かして、ライン 04 と 12 に C-4 01 というノート情報を入力します。そして先ほどと同様に、トラック全体に小節をコピーします。ちょっと同じ事の繰り返しになってしまうので、ここでは別のトリックを試してみましょう。CTRL + P を使うと、パターンの終わりまで自動的に繰り返しペーストできますよ。

 バスドラム・トラックに戻ります。"グルーブ感"を加える為に、各小節の13ライン目にキック音を加えています。ちょうどトラック2のスネアドラムの1ライン下という事になりますね。

 各トラックには特定の名前を付けておくとわかりやすいでしょう。例えば、"Track 01" となっている部分をダブルクリックして、"bassdrum" と入力します。

ボリューム・コマンドを追加

 ハイハット(RX17HatClosed.flac)を打ち込む為に Track 03 に移動します。ここではたくさんのノートを一気に入力できるトリックを使っています。今までは、ノートを入力する為にはカーソルを1ラインずつ動かしていました。ですが Edit Step を使えば、1回キーを押した時に移動するライン数を増やす事ができます。例えば、4ラインずつ移動したい場合は、CTRL + 4 を押します。これで Edit Step を 4 に設定できました。後は Q キーを押し続ければ、C-4 02 というノート情報が4ライン毎に入力されていきます。

 トラックの最初に一気に戻ります(HOMEキー)。カーソルをライン 02 に移動して、同じようにハイハットを 4 ライン毎に連続的に入力します。ここで気づく人もいるでしょうが、この段階では結果的に Edit Step を 2 に設定して入力したのと同じ事になっています。作業の流れ的な事なので、どちらでもOKです。

 まぁとにかく、ここからが重要。ボリューム・コマンドを入力します。ライン 02 へ戻って、ノート情報の右隣(ドットが並んでいる列)にカーソルを移動させます。あなたは今、2ケタの数字が入力できるボリューム・コラムにいます。ここで、ハイハットのボリュームを一つ飛ばしに半分に設定したいので、一つ飛ばしに 40 を入力します。40? そうです、ボリューム・コラムでの最大値は 80(16進法)なので、ここでは 40(16進法)です。十の位にカーソルを置いて 4 を押さえ続けると下のように入力できます。

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 そして、少しだけバリエーションを加えます。ライン 29 と 61 のバスドラムを削除して、Track 04 の最初のラインにクラッシュ・シンバル(RX17Crash.flac)を入力しています。

イコライジング

 画面の一番下に、まだ説明していないパネルがありますよね。あなたが今クラッシュ・シンバルのトラックにいるとして、TrackDSPs タブを開いてください。そこに Volume というラベルの付いたスライダーがあります。少しクラッシュ・シンバルの音が大きいので、そのスライダーをわずかに(左へ)下げて調整します。

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 次に、Track 01 へ移動して、左下のデバイス・リストから EQ 10 を追加します。ここではミキシングの定石(後から音量を追加しない。音をカットする事だけで調整する方法)にはとらわれずに、低周波数帯域を慎重にブーストしています。EQ 10 の低周波数側の3つのスライダーは、+2dB 程度、そっと(右へ)押し上げられています。また、Track 02 のスネアドラムは、高周波数側を少しブーストする必要がありました。ここでは EQ 5 を使っています。

Done for now (ここまでで出来た事)

 この時点で、ムービーは大体4分くらい経過しています。既に私たちがどのくらい出来るようになったかを振り返ってみましょう。実際、とりあえずはちゃんとしたビートを作れたはずです。この、単刀直入で素早いワークフローが Tracker の魅力なんです。

 引き続き、ムービーではブレイクビートのサンプルや、シンセ・ベースラインを加えていきますが、ここでは記事が長くなり過ぎるので一旦休憩します。続きは■ 10分以内にファットビートを作る方法・その2 ■を読んでください。 もちろん、あなた自身でムービーの残りの部分を学ぶ事もできます。そんなに難しくはないですよ。

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Credits to Neil ‘Celsius’ Gaeggeler of Shaper for creating the original video tutorial.

This article was written by Bantai, and translated by satobox.