私たちはここに新しい Renoise をお届け出来る事を嬉しく思います。現在、全ての登録ユーザーは、最新のベータ版を Renoise Backstage からダウンロード出来ます。この新規リリース版の機能についての提案、改善、バグ修正などのご意見があれば、V2.8.0ベータ版用のフォーラム に書き込んでください。
完全な 64-bit サポート †
Renoise 2.5 Linux 版において64bit版をリリースして以来、Mac OSXやWindows版に関しても64bit版をリリースして欲しいという要望をたくさん頂き、ようやくその準備が出来ました。64bit版を使う事で、メモリー4GBの壁を破り、あなたのシステム上で使用可能なリソースをフル活用出来るようになるでしょう。
また Renoise 2.8 は、32bitのインストゥルメントやエフェクト・プラグインを64bit版Renoise内で使用出来る(その逆も可能)ような、完全に自前の プラグイン・ブリッジを備えています。
全てのプラットフォームでの64bit版:Windows, Mac OSX, Linux
64bit版Renoise内で32bitのプラグインを使用可能にするプラグイン・ブリッジ搭載
ReWire 64bit版完全サポート
パターン・マトリックスのワークフローの見直しと改良(スロット・エイリアス) †
V2.8の開発中のキーワードは「ワークフロー」でした。バターン・マトリックスとシーケンサーの刷新によって、以前よりもさらに曲をアレンジし易くなりました。パターンスロットをエイリアシング(Alias = "影武者、仮コピー" 的な意味)する事で、即座にそのスロットの内容をトラック全体に配置する事が可能です。また、新しく追加されたセクション機能を使えば、常に番号順に並ぶようになったシーケンサーとの相乗効果で、曲のアレンジ構造の区分が一目で把握出来るようになります。
マトリックス画面の個別のパターンスロットのエイリアス(仮コピー。"クリップ" の様に扱う事)
1つのスロットを編集すると、そのスロットのエイリアスも全て同様に編集される。
スロットの下端をドラッグすると、クローンやエイリアスを素早く作成可能。
セクション・ヘッダーを使って、曲の各パートをグループ化可能。
トラック・グループ&コラプス(折り畳み)機能 †
もう1つの大きなワークフロー改良は、トラックのグループ化です。関連した複数のトラックをグループ化し、そこにエフェクト・チェインをまとめて掛ける事が出来ます。さらに、トラックやグループは折り畳み表示可能で、膨大なトラックを含むプロジェクトの見晴らしを良くしてくれます。
トラックを合理的にグループ化し、折り畳み表示で全体像を把握しやすく出来ます。(グループ化は、Altを押しながらドラッグ)
グループ化したトラックのフレキシブルなルーティング。
トラックを折り畳めば、表示スペースを節約出来ます。
グループ化されたトラックにパターン・エフェクト・コマンドを設定すると、全てのトラックに対して効果があります。
トラックの自動折り畳み機能(フォーカスされたトラックだけは通常表示。パターン・エディター左下のボタン)
各トラックの背景色を設定可能。
DSP エフェクト&メタ・デバイス †
そして、今回のリリースで追加された新しいDSPエフェクト達を紹介します。
[新エフェクター] マルチ・タップ・ディレイ:間隔を空けたフィルターの効いたエコーを創リ出す。
[新エフェクター] リピーター:スタッター効果を創り出す。
[新エフェクター] エキサイター:あなたのミックスを煌かせる。
[新メタ・デバイス] メタ・ミキサー:3つまでのモジュレーション・シグナルを1つにブレンドする。
[改良] EQ5&10:グラフ表示が大型化され、全パラメーターのオートメーションが可能に。
[改良] センド・デバイス:パン設定可能に。
[改良] マルチバンド・センド:クロスオーバー・フィルターのタイプを選択可能に。
サンプル・エディター †
サンプル・エディターにもワークフローの改善が施されています。
左右のチャンネルを個別に編集出来るようになりました。
ズーム・レベルと現在の範囲指定はサンプル毎に記憶されます。
サンプルのロード速度の大幅改善。
"Destructively Render Slices" メニューの追加(個別スライスの破壊的書き出し。スライス・マーカーの付いたサンプルを完全に個別のサンプルに分割)。
キーボードとマウスでの範囲選択の操作性改善。
マーカーと波形の表示の改善。
プロセッシング・ツールの追加と改良([Mute:選択範囲の無音化], [Insert Silence:無音区間を挿入], [Invert Phase:位相反転], [Swap Stereo Channels:左右チャンネル反転], [Fade関連の機能の充実])。
スペクトラム画面の改良 †
位相スコープに "Phase Correlation Meter(位相相関関係メーター?)" の追加。
任意に指定した2つのトラックの出力波形グラフを比較表示させる事が可能(右上の小さい三角ボタン内で設定)。
新しい描画モード:塗り潰しのカーブ、バー、スペクトラム。
周波数スケール、精密さ、ピークフォールの割合、スロープ、の各詳細設定が可能。
パターン・エフェクト †
マスター・トラックやグループ・トラック上にパターン・エフェクト・コマンドを設定すると、関連する全てのトラックに効果が伝わります。
バターン・コマンドの拡張 [1xyy ~ Yxyy] によって、パターン・コマンドを使って34個までのDSPデバイスのコントロールが可能になりました。
新しいパターン・エフェクト・コマンド:[トレモロ= 0Txy]、[オートパン= 0Nxy]、[セット・エンベロープ・ポジション= 0Exx]
幾つかのコマンドは、A~Zの中から機能を連想しやすいアルファベット頭文字へと割り当てを変更されました。
パフォーマンス改良 †
Intel i5 と i7 等の新しいCPUのハイパー・スレッディングに対応。
全てのプラットフォーム上でのオーディオ・エンジンの処理速度の最適化。
その他のワークフロー改良 †
プラグインや内蔵DSPデバイス・リストの「お気に入り」登録システム
表示枠拡大と取り外しが可能なエンベロープ・エディター(各サンプル・エンベロープとLFOデバイス)
プラグイン毎に、最後に使ったバンクやプリセットのディレクトリ・パスを記憶するようになりました。
曲やパターンの書き出し時、自動的にファイル名を付けるようになりました。
CapsLockを2度押さないとノート・オフが入力出来ない問題と、右側の修飾キー(Alt-gr)がうまく動作しない問題のために、PreferencesパネルのKeysタブ内にオプションが追加されました。(特にCapsLockは日本語キーの長年の問題でした。遂にこの問題が解消されました!!)
キーゾーンにサンプルをドラッグする場合の、ノート分配の細かいコントロール
。
トラック・カラー設定画面の改良(色設定をセーブ出来るスロットの追加等)。
右クリック・メニューの整理(オーバーホールと形式統一)。
アンダー・ザ・フード(内部的な改良) †
[Windows] MP3をインポートする為にQuicktimeはもう必要無くなりました。
プラグイン・ウインドウをクリックすると、オート・サスペンド状態から復帰するようになりました。
[Mac OSX] モノラル・キャプチャー・デバイスのサポート。
[Linux] 新しいJackに関する改良。
Trimmed overall memory footprint(注・すみません。詳しい意味がわかりません)
Luaスクリプトに関する変更 †
"Renoise and Tools Auto Updater" がデフォルト・インストールに含まれるようになりました。
幾つかの新しい Lua API binding
以下のページも参照してください。
■ Renoise 2.8 の機能に関する追加説明 (64/32bitの違い・エフェクト・コマンド拡張について) ■