マルチ・チャンネル VST/AU インストゥルメント

VST/AU の中には複数のMIDIチャンネルを使って複数の音色をコントロール出来るものがあります。マルチ・チャンネル、マルチ・ティンバー音源等と言われています。そういう VST/AU インストゥルメントの使い方を説明します。

まずはマルチ・ティンバー・タイプのVSTiをロードします。ここでは説明の為に、KORG社製 "M1" を使わせていただこうと思います。 "M1"にはマルチモードがあり、1台で複数の音色を別々にコントロール出来ます。

この段階では普通のVSTiをロードするのと同じです。M1 側でマルチモードを選択し、"Piano 16'"という音を設定しました。ただこの時、M1 側でロードした音色とRenoise側のMIDIチャンネル設定が同じになっているか確認してください。ここではチャンネル１を使っています。

また、この"Piano 16'"という音色は[1+2]というステレオ・アウトプットに送られているので、Renoise側のアウトプット設定画面でも[M1 1+2]というポートがオンになっている事を確認してください。

そして引き続き、２番目の音色を設定します。まずインストゥルメント・セレクター画面で一番目とは別の空いているスロットを選んでください。そしてVSTi名を選択するわけですが、ここでまた普通に"M1"を選んでしまうと、M1本体が２台立ち上がってしまいます。

そこで、VSTiリストを開いて一番上を見てください。"VST alias"という欄に"M1 (Instr. 00)"という音色名があると思います。これを選びます。

「alias」は「別名」といった感じの意味らしいです。これでインストゥルメント・セレクターには２つのインストゥルメントが出来ましたが、起動している M1 は1台だけです。

そして、M1 側でチャンネル２の欄に別の音色をロードします。ここでは"Choir"という音を設定しました。この音がMIDIの2chを使用しているので、Renoise側でもチャンネル設定を"2"に変更してください。

また、この"Choir"という音色は[3+4]というステレオ・アウトプットに送られているので、Renoise側のアウトプット設定画面でも[M1 3+4]というポートをオンにしないと音が出ません。

これでインストゥルメント00では"Piano 16'"、インストゥルメント01では"Choir"を別々に操れるようになりました。同じ要領でaliasは増やしていけます。

ここまでの設定でも十分使えるんですが、２つの音色それぞれに個別にRenoiseのエフェクターを掛けたい場合等はアウトプット・ルーティングの設定も可能です。

プラグイン側からマルチ・アウトされたオーディオ信号をRenoiseの各トラックにルーティングする事が出来ます。

上図では、"M1 1+2"はトラック１へ、"M1 3+4"はトラック２へ、とオーディオ信号が流れるようにルーティングしました。

これで、インストゥルメント00 "Piano 16'"を鳴らした時は、Renoiseのトラック１で音が鳴り、インストゥルメント01 "Choir"を鳴らした時は、Renoiseのトラック２から音が鳴ります。各トラックにRenoiseのエフェクターを個別に掛ける事も可能になりました。

ここではKORG社のM1を使って解説しましたが、マルチ・ティンバーのプラグインなら何でも同様の事が出来ます。お使いのプラグインのMIDIチャンネルの設定とアウトプットの設定方法を確認してください。