32bit-float WAV の処理についての疑問

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32bit-float WAV の処理についての疑問

投稿記事by satobox » 2013年11月26日(火) 1:42 pm

きっかけは、藤本健氏のこのコラムを読んだからなんです。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/seri ... 24971.html

要は、「32bit float は、メッチャ大きい音、メッチャ小さい音に対する描写力が格段にきめ細かい」という事だと理解しています。

まず単純に、僕はこの事を全く知りませんでした(;^ω^)。「32bit floatってクリップしないのかぁ!」と、素直に感動しておりましたw。
ただ、このコラムの最後の「CubaseやStudio Oneの音が良いと言われるのはこの為だろう」というくくりには少々強引さを感じました。今時ほとんどのDAWが、内部的には32bit-floatで処理しているはずなので、むしろ「音の良さには差が出ない」と言った方が、この観点では納得出来ます。
しかし、このコラムを読めた事は、素直に感謝いたします。

32bit floatについて、もう少し詳しく知りたかったので検索してみると、「あちゃぴーの自転車通勤」さんというブログに大変詳しく載っていました。
http://achapi2718.blogspot.jp/2011/12/3 ... e-754.html

この方、Audacityのマニュアルやエフェクターの制作に関わっておられるようで、完全な文系脳の僕にはかなり難しい話ですがw、最後の部分で大変納得させられました。メッチャ小さな音の描写力が全然違うので、リバーブの残響音などの表現で差が出るだろうと。なるほど~、と思いました。

今まで、Renoiseでサンプリングや録音をしたWAVが全て(強制的に)32bitになってしまうので「別に16bitでいいんやけどなぁ~」と漠然と思ってたんですが、それはやっぱり意味があったんですね。

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で、「そういや~、Renoiseってどうなってるんやっけ?」と思ってWAVの書き出し機能について、おさらい的に検証してみたんです。Renoiseの書き出しパネルのビット設定は「16bit, 24bit, 32bit」としか書いてないんですが、これは「16bit(整数), 24bit(整数), 32bit(浮動小数点数)」という意味だと思います。実際Tool Tipsには「Renoiseで書き出せる最高の音質設定は32bit-floatです」と書いてありますし。

ただ、ここで疑問に思う事実に気付きました。「Renoiseでは、見かけ上潰れてしまった過大音量の32bit-float WAVファイルは、そのままの形(上下がバッサリ切り取られたような)WAVファイルとして扱われる」みたいなのです。

(ちなみに、見かけ上無音のような32bit-float WAVファイルを、復元又は保存する事は可能です。これについては、下で検証している他のDAWでも全て可能でした。)

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この事実をどう受け止めるべきかなぁ~と悩んでおります。
そもそも、他の再生環境でクリップを起こすような過大音量のファイルを作るべきではないですし、安全対策として、こういう処理をわざとしている気もします。

で、他のソフトではどうなのか?と思って調べてみました。

■ Audacity ■

● 過大音量 32bit-float の書き出し:
エフェクト欄の「増幅」を使うのですが、0dB以上の数値にしようとすると「クリップを可能にする」というオプションをオンにしない限り、ボタンが押せなくしてあります。
つまり「見かけ上潰れてるけど、実はもっと過大音量」みたいなWAVは書き出せなくしてあります。安心設計。

● 過大音量 32bit-float の復元:
これはエフェクト欄の「増幅」を使えば可能です(作業的には、逆にレベルを下げるんですけどね)。


■ FL Studio 11 ■

● 過大音量 32bit-float の書き出し:
可能です。書き出しの設定パネルで 32bit-float を選べばいいだけです。
(デモ版はデフォルトでマスターにリミッターが置いてあるので、それを外します)

● 過大音量 32bit-float の復元:
可能です。問題のWAVをサンプラーに読み込ませ「Normalize」というボタンを押せば戻りました。


■ Studio One 2 Free ■

● 過大音量 32bit-float の書き出し:
可能です。書き出す時にちゃんと「何dBオーバーしたファイルになります」という警告メッセージが出ます。これが一番親切なような気がしました。

● 過大音量 32bit-float の復元:
意外と、これが出来ませんでした。読み込んだ時点で「潰れた形のWAV」として認識されるみたいです。Renoiseと同じですね。(ひょっとしたら上位版では出来るのかも??)



あと、Reaperも一応試したんですが、保存・復元ともに出来ませんでした。Renoiseと同じで「潰れた形のWAV」として認識されるみたいです(ただReaperは、あまり操作に自信がありません)。
藤本氏のコラムを読む限りでは、Cubaseは保存・復元ともに可能なんでしょうね。それと Win のメディア・プレーヤーでは、おっしゃる通り、普通に鳴りました。



という感じで、ソフトによって本当に扱いがバラバラなので、まぁ今のままでもいいのかなぁ~、くらいに思っています。他の方々はどう思いますか?? 
「過大音量 32bit-float WAVファイルは、こういうメリットがあるから、こういう扱いにした方がいい」とか「やっぱりそんな危険なWAVは必要無い」みたいな意見があれば、ぜひお聞かせください。それと、僕の認識が間違っている可能性も十分にあるので :roll: 、そういうご指摘もよろしくお願いします。m(_ _)m


:!: 一応、テスト用の 32bit-float wav ファイルを置いておきます。 :!:
http://reg.s63.xrea.com/gomi/32bit-float-Test.zip
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