サンプル・インストゥルメントの設定画面
サンプル・プロパティ
サンプルの設定画面パネルです。マルチ・サンプルを扱っている場合、各レイヤー・サンプル一つ一つにこのパネルでの設定が可能です。

Volume
サンプルの音量をもっと上げたい時に使います。
使いたいサンプルが他の音よりかなり小さい時やサンプル・エディター
のマキシマイズ機能を使っても欲しい音量が得られなかったときに役に立ちます。
Panning
サンプルのパンの調整に使います。
Transpose
サンプルの音程を半音ずつトランスポーズ(移調)出来ます。但し、いわゆるピッチシフトとは違ってサンプルの長さも変化します。
Finetuning
サンプルの音程をファイン・チューニング出来ます。
ファイン・チューニングはサンプルのピッチをわずかに上げ下げして音程のずれをなおします。
Autoseek
もし数パターンにまたがるような長いサンプルを使う場合、この設定をオンにしておくとサンプルの途中からでも音を再生してくれます。
ボーカルやギター演奏等のサンプルを扱う場合、毎回先頭地点に戻って音を確認する必要がなくなるので大変便利です。
Autofade
サンプルの最初と最後に非常に短いフェードを自動で設定し、クリック音を防ぐ効果があります。
NNA (New Note Action)
NNA のタイプを設定します。
"Cut", "Note Off", "Continue" が設定可能です。
Loop
サンプル内に設定されているループのタイプを選択します。
"None", "Forward", "Reverse", "Pingpong" です。
サンプル・エディターでの設定がここに反映されます。

このボタンをオンにすると、鍵盤を押している間は普通にループしますが、鍵盤を放した後にループ・エンドを無視してそれ以降のサンプルの後半部分が再生されます。
Interpolate
サンプルがオリジナルのピッチ以外で再生される場合にリサンプリングが必要になります。
そのリサンプリングの補間方法を選択します。
"Cubic" はリアルタイムの処理において最も良い結果になる補間設定です。
"Linear" はサンプルを低いピッチで再生する場合に荒い感じの音になります。
"None (補間オフ)" を選ぶと、さらにメタリックで荒い感じの音になります。
"None" は非常に短いサンプルをループさせてウェーブテーブル・ジェネレーターとして使う場合にも適しています。
また曲全体を WAV ファイルに書き出す時に "Arguru's Sinc" モードを選んだ場合、"Cubic" 補間を設定したサンプルだけが "Sinc" 補間に変更されて処理されます
("Linear", "None" を設定したサンプルは、その補間モードのまま処理されます)。
Sync (Beatsync)
この機能をオンにすると、指定したパターンライン数の区間に正確にフィットするように、サンプルの長さを自動的に調整して再生されます。
これは特に、あなたの曲のテンポに正確にフィットしていないビート (リズム)・ループを使う時なんかに重宝します。
16や32を設定してみるといいでしょう(右クリックで区切りのいい数字に変更出来ます)。
ですがこれはサンプルのピッチを変えてしまうので、いわゆる "音程のあるサンプルやインストゥルメント" には使えません。
[T]ボタン
このボタンをクリックすると、現在のBeatsyncの数値をトランスポーズ値とファイン・チューン値に置き換えて設定されます。
各種エンベロープ
上記のサンプル・プロパティ画面の右端に「Envelopes」と縦向けに書かれた部分があります。
ここをクリックするとサンプル・エンベロープ画面が開きます。
特にボリューム・エンベロープは重要な役割を果たしますので、ぜひ使い方をマスターしてください。
エンベロープ画面の各アイコンの説明

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[エンベロープ選択スイッチ]
エンベロープは、1つのサンプルに対してボリューム・パン・ピッチ・カットオフ・レゾナンスの5種類を別々に設定することが出来ます。
既にエンベロープが有効になっている項目は文字が色違いになります(左図のCutoffのように)。
一番下にあるのはエンベロープとLFOの切り替えボタンです(LFOについては下で解説します)。 |
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[エンベロープのオン/オフ・ボタン]
上の選択スイッチを押しただけではエンベロープは使えません。エンベロープ・グラフの左上にあるこのボタンをオンにしてください。 |
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[バリュー・ボックス]
エンベロープ上で現在選択中のポイントの正確な数値を表示します。
ダブルクリックすれば、直接数値を入力出来ます。 |
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[エンベロープのタイプ、長さ]
左でグラフのタイプを選びます。
"Curve"は曲線的、"Liner"は直線的なグラフになります。右でエンベロープの長さを変更出来ます。 |
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[エンベロープ・エディターの拡大表示]
このボタンをオンにすると、中央フレームいっぱいにエンベロープ・グラフが表示されます。 |
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[ループ]・・・グラフ上にループ・ポイントを設定します。
- Forward・・・スタートからエンドへ(右向きに)ループします。
- Reverse・・・エンドからスタートへ(左向きに)ループします。
- Ping Pong・・・スタートとエンドポイントで跳ね返るように(左右に)ループします。
[サスティン]・・・グラフ上にサスティン・ポイントを設定します。鍵盤を押し続けると、サスティン・ポイントで音が鳴り続けます。
[リリース](ボリューム・エンベロープのみ)・・・ノートオフ(OFF)によって音がフェイドアウトするスピードを設定します。
小さい数値ほど、フェイドアウトする時間が長くなります。
このフェード・アウトはエンベロープが有効になっていないと効果がありません。
グラフでフェード・アウトを描けるのに、なぜこの設定が必要なのか疑問に思われるかもしれません。使用例を挙げておくと:
- ループ設定時に必要です。ループを設定すると、音の減退グラフは設定出来ません。
- 例えばピアノの音のように、軽く(短く)弾いた時にはスタッカート気味に短く音が切れ、強く(長く)鍵盤を押さえた時には余韻が長くなるように設定出来ます。
短く弾いた時の音の切れ方にはフェード・アウト値を設定しておいて、長く押さえた時はグラフで(サスティンをオフにして)長いエンベロープを描いておきます。
[エンベロープ・プリセット]・・・お気に入りのエンベロープ・グラフを4つまで登録しておく事が出来ます。
右クリックで登録、左クリックで呼び出しです。
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[フィルター・タイプ選択欄](カットオフ/レゾナンスのみ)
カットオフ、又はレゾナンス・エンベロープ画面を開くと、バリューボックスの隣にこのフィルター・セレクターが表示されます。
正確にはフィルターではないものも幾つか混ざっていますが、実際にエンベロープを描いてみて、音がどう変化するかを試してみてください。 |
LFO画面の各アイコンの説明
エンベロープ画面では、エンベロープだけでなくシンプルなLFOも使う事が出来ます。
このボタンでLFO画面に切り替えます。
この画面はボリューム/パン/ピッチを選択した場合のLFO画面です。
LFO機能が2つ並んでいます。
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[LFO]・・・低周波オシレーターの略。
普通オシレーターは音を出す装置ですが、その周波数を極端に遅くすると目で見てわかるくらいの周期的な波が現れます。
ここではその波を音の制御に使います。
つまり、ボリュームに掛ければビブラートのような効果がありますし、パンに掛ければロータリー・スピーカーのように左右に音が揺れます。
- Sin(サイン波), Saw(のこぎり波), Pulse(パルス波), Random(ランダム)が選べます
- Phaseは「位相」という意味で0度から180度まで設定出来ます。波の始まるタイミングが変わります。
- Frequencyを大きくすると、波の周期が早くなります。
- Amountを大きくすると、波の揺れ幅が大きくなります。
ここではLFOが2つありますが、2つ目も使うと両方の設定を掛け合わせたような複雑な波になります。
真ん中のメーターを見ていれば、波の動きがわかります。
LFOはエンベロープがオンでもオフでも使うことが出来ます。
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この画面はカットオフ/レゾナンスを選択した場合のLFO画面です。
左側は上と同じLFO機能で、右側が違います。
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[Follower]
単純なエンベロープの追加的な機能で、以前はAutoampと呼ばれていました。Cutoff や Resonance 等の量をダイナミックにコントロールします。
- オンにするとFollower機能が有効になります。
- Attack・・・オーディオ信号が入力されてから、エンベロープがピークの値に到達するまでの速さを設定します。
- Release・・・オーディオ信号のピークがエンベロープの量より下がった時、そこからエンベロープが落ちる速さを設定します。値を大きくするほど効果は長く掛かります。
- Amount・・・増幅の量。127 は Cutoff / Resonance のコントロールの最大量を意味します。
Followerはエンベロープがオンでもオフでも使うことが出来ます。
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