[謝辞]:これらの Renoise 版専用 Renoid ツールは、全て uprime22 さんに作って頂きました。 これらのツールの存在が "元祖 Renoise 版" の完成度を一段高いレベルに引き上げてくれたと思います。 無理な注文にも答えて頂き、感謝の極みです。本当にありがとうございました。m(_ _)m |
ツールのインストール
ツールのインストール方法は、各 XRNX ファイルを Renoise の画面上にドラッグ&ドロップするだけです。
アンインストールは、メイン・メニューの [Tools] >> [Tool Browser...] を開き、ツールの名前を選択して、右下の [Uninstall] ボタンを押します。
このページで紹介する4つのツールは、スターター・パックに同梱されています。
ツールの起動
今の所、Renoid 用ツールは全て、パターン・エディター上での右クリック・メニュー内にリストアップされます。 そこでツール名をクリックして起動させてください。
Text2Notes for Renoid
■ Renoise 3.0用(org.uprime22.text2notes_forRenoid.0.30.1.xrnx) ■
■ Renoise 2.8用(org.uprime22.text2notes.0.15.xrnx) ■
歌詞の流し込みツール。 限りなくシンプルな画面ですが、最も効果的な歌詞入力ツールです。
[1]・・・ここに歌詞をひらがなで入力します。
[2]・・・入力済みの文字はここに表示されます。
[3]・・・この [Set] ボタンは、複数のボイス・ファイルからキーワードを収集したい場合に設定します。 (複数のインストゥルメントで構成されているような特殊なボイス・ファイルの為に使うもので、通常の日本語ボイス・ファイルでは設定する必要はありません。)
このツールの仕組みを少し解説しますと、ツール起動時に、Renoid ボイス・ファイルに含まれる全てのサンプル名の先頭部分(先頭から最初のスペースまで)をキーワードとして収集し、歌詞入力に使える文字として認識します。 そして、その認識済みの文字を右側の画面に入力する事で、その文字をノートデータに変換しパターン上に記録する事が出来ます。 もし、サンプル名の先頭に使われてない文字を入力した場合、その入力は無視されます。
ですから、ご自分でボイス・ファイルを作られる場合は、サンプル名の名付け方を理解しておいてください。
1文字ずつパターン上に歌詞を入力していく事も可能ですが、前ページの「歌詞入力ツールの活用」欄で説明したように、 先に"C-4"だけで音の入力位置を決めておいて、後から [Shift + Ctrl + Enter] で一気に歌詞を流し込んだ方が便利です。
設定されているキーバインド:
- [Esc] [Ctrl+E]・・・歌詞流し込みモード、歌詞編集モードの切り替え
- [Ctrl+Enter]・・・ひらがな1文字(1セット)をパターンへ入力
- [Shift+Ctrl+Enter]・・・次の文字位置へジャンプし、ひらがな1文字(1セット)をパターンへ入力。キーを押し続けると次々と文字を流し込めます。
- [Ctrl+Right] [Ctrl+Left]・・・パターンへは入力させずに、歌詞の文字を左右に移動させる
- [Ctrl+Up] [Ctrl+Down]・・・歌詞編集ラインの上下移動
- [Shift+Ctrl+Up] [Shift+Ctrl+Down]・・・1つ前、後ろの音へカーソルを移動させる
- [Ctrl+1~9] [Ctrl+Shift+1~9]・・・1〜9ラインずつ、カーソルを前後に移動させる
- [Ctrl+Space] [Ctrl+Shift+Space]・・・最初のラインから再生・停止。現在のラインから再生・停止。
特殊キー
- "." "。" ・・・Noteoff
- "-" " "(全角スペース) ・・・削除
Words Pad for Renoid
■ org.uprime22.WordsPad_forRenoid.xrnx ■
(Renoise 2.8, 3.0 どちらでも動作します)
Renoid ボイス・ファイルの歌詞入力用パッドです。
[1]・・・ひらがな入力パッド。Renoise の編集モードをオンにしてから、これらのパッドで歌詞を入力します。
[2]・・・この矢印キーは Renoise の Edit Step 機能と連動しています。 図のように Edit Step を "4" にしておくと、4ラインずつカーソルを移動させる事が出来ます。
[3]・・・ここに、現在のカーソル位置に入力されたひらがなを表示します。歌詞の再確認に使います。
注)このツールは拗音と二重母音には対応していません。これらが必要な場合は直接 01〜05 のVolume値をパターン上に入力してください。
タグ値によるタイミング調整ツール(Tag_Nudge_jp)
■ Renoise 3.0用(org.Renoid.Tag_Nudge_jp.0.300.1.xrnx)■
■ Renoise 2.8用(org.Renoid.Tag_Nudge_jp.0.103.xrnx)■
このツールは、Renoidの各ひらがなサンプル・ファイル名に記載されているタグ情報を読み取り、その情報を元に、発声タイミングの "遅れ" を修正する事が出来るツールです。
ナッジ(Nudge)とは「軽く押す」という意味ですが、ここではデータの入力位置を少し前にずらしてタイミング補正するという意味です。
[1]・・・タグ情報表示部
サンプル名・・・ここに各ボイス・ファイル名が表示されます。
タグ値・・・タグ付けされているミリ秒単位のオンセット値(発声タイミングの補正値)が表示されます。
Line.Delay・・・ミリ秒単位のオンセット値を、Renoise のライン数、ディレイ・コラム値に変換した数値を表示します。 例えば "-2 . 77" なら、2ライン上にずらし、ディレイ・コラムに 77 と入力すれば、最適な発声タイミングになるという事です。
[2]・・・各種オプション
-TrackDelay:・・・もしトラック・ディレイを設定している場合、その数値(ミリ秒)を差し引いた Line,Delay 値を表示します。
+ColumnDelay:・・・もし既にディレイ・コラムに数値が入力されている場合、その数値を考慮に入れて Line,Delay 値を表示します。
With EffectColumn:・・・ノート・データと同じライン上にエフェクト・コマンドが入力されている場合、そのコマンドも一緒にナッジするかどうかのオプション。
[3]・・・ナッジ・ボタン
[個別にナッジ]・・・現在のカーソル位置にある入力データをナッジ(タイミングを前にずらして補正)します。
[マイナス・ナッジ]・・・タグ情報の Line,Delay の分、入力データを "後ろに" ナッジします。ナッジ済みのデータを元に戻す場合に便利です。
[パターン・トラックの一括ナッジ]・・・パターン・トラック全体の入力データを一度にナッジ処理する事が出来ます。
[パターン・トラックの一括マイナス・ナッジ]・・・パターン・トラック全体の入力データを一度に "後ろに" ナッジ処理する事が出来ます。ナッジ済みのデータを一括して元に戻す場合に便利です。
注):この[パターン・トラックの一括ナッジ]は、「1つのパターン上の1つのトラック」という限定区間の一括処理です。 ですからパターン毎に1度ずつボタンを押していく必要があります。 なぜ曲全体の一括処理は出来ないのか?というと、CPU負荷が異常に高くなってしまうからです。
[Undo]・・・直前の動作を元に戻します。
Tagging Nudging
■ Renoise 3.0用(org.uprime.tagging_nudging.0.300.1.xrnx)■
■ Renoise 2.8用(org.uprime.tagging_nudging.0.103.xrnx)■
このツールは上記のナッジ・ツールと全く同じ機能を持ち、更に WAV ファイル名をリネームしてタグ情報を付加・再調整する機能が付いています。 Renoid の上級者向け、又はボイス・ファイル製作者向けのツールです。
タグ情報表示部
[1]:タグ情報表示・・・基本的には上記のナッジ・ツールと全く同じです。 例えば図の様に Line.Delay が "-2 .77" なら、2ライン前にずらして、ディレイ・コラムに 77 と入力すれば最適な発声タイミングになるという事です。
[2]:[To SampleEditor]ボタン・・・リネーム機能を使う場合、サンプル・エディター画面に移動する必要があるのでこのボタンを使います。
[Back to Pattern]ボタン・・・サンプル・エディターからパターン・エディターに戻る為のボタン。[3]:[Update List]ボタン・・・全Instrument から、Sample の情報を抜き出したリストを再生成します。ツール起動時に、このリスト生成は一度行われています。
[4]:-TrackDelay:・・・もしトラック・ディレイを設定している場合、その数値(ミリ秒)を差し引いた Line,Delay 値を表示します。
[5]:+ColumnDelay:・・・もし既にディレイ・コラムに数値が入力されている場合、その数値を考慮に入れて Line,Delay 値を表示します。
[6]:Regard Vol as 7F・・・ボリューム・コラム値を常に "7F" と認識する設定。つまりここをオンにすると、例えば「きゃ・きゅ・きぇ・きょ」等の拗音に対しても、基本音「き」のタイミング補正情報が適用されます。(オフにすると、拗音や二重母音に個別に設定されたタイミング補正情報が認識出来るようになりますが、現状、そこまで細かい設定を施したボイス・ファイルは配布していません。ですからここはオンにしておいてください。)
リネーム部
ファイルのタグ付けの方法は ボイス・ファイルの作り方ページ でも解説しています。
[7]:タグ数値入力ボックス・・・ここに手動で数値を入力する事も出来ますが、次の "Link Selection Start" 機能を使えば、波形上をマウスで選択する事で数値を入力出来ます。
[8]:[Link Selection Start]ボタン・・・このボタンをオンにすると、波形上をマウスで選択した時、その選択区間の先頭地点の数値(ミリ秒)が自動的にタグ数値入力ボックスに入力されます。
[Unlink]ボタン・・・Link 機能の解除。[9]:[Rename with Tags]ボタン・・・タグ情報を設定後、リネームを実行するボタン。右側にある "AllowRename" ボタンがオンになっていないと実行出来ません。
[Remove Tags]ボタン・・・設定済みのタグ情報を削除するボタン。
[10]:ナッジ部
基本的には上記のナッジ・ツールと全く同じです。[NudgeIt] = [個別にナッジ]
[-Nudge] = [マイナス・ナッジ]
[Nudge PatternTrack] = [パターン・トラックの一括ナッジ]
[-Nudge PatternTrack] = [パターン・トラックの一括マイナス・ナッジ]
[Undo] = アンドゥ
With EffectColumn:・・・ノート・データと同じライン上にエフェクト・コマンドが入力されている場合、そのコマンドも一緒にナッジするかどうかのオプション。
前述の "Tag_Nudge_jp" と、この "Tagging Nudging" ツールは、内部コード的には全く同じ物です。 "Tag_Nudge_jp" は、ナッジ機能に特化した初心者向けのダウン・グレード版だと思ってください。 どちらか使い易い方だけ、又は両方インストールしておいても問題ありません。 |