Renoid「サウンドフォント版」の使い方
1.メロディー・トラックと歌詞トラックを別々に作る。
2.メロディートラックに、仮の VSTi(何でもOK)を使ってメロディーデータを入力。
3.歌詞トラックで、サウンドフォント用 VSTi(TX16Wx等) に Renoid ボイス・ファイルを読み込ませ、歌詞データを入力。
4.歌詞トラックにピッチ・コレクター(Kerovee等)を挿入する(つまり歌詞トラックのオーディオ信号をピッチ・コレクターへと流す)。
5.メロディートラックの仮の VSTi を削除し、メロディー MIDI信号だけがピッチ・コレクターに送信されるようにルーティングする。
サウンドフォント版の場合、様々な DAW 内で扱う事が出来る分、セッティング方法もそれぞれ違います。 上で説明したのは、「大体こんな感じで信号が流れます」という大雑把な概念です。 もし「ボコーダー」のセッティングをご存じなら、それに近い使い方だと思えば分かり易いかもしれません。
Renoid は基本的に歌詞のオーディオ出力をリアルタイムにピッチ変化させて歌にするという考え方ですが、 最近の DAW なら、別にリアルタイムじゃなくオーディオ編集だけで歌声を作ってしまう事も可能かもしれません。色々試してみてください。
サウンドフォント版をロードする為の VST プラグインについて
Renoid サウンドフォント版は、ベロシティ指定によってサンプルの音量を変化させる事は出来ません。 なぜなら、ベロシティ指定はサンプル・レイヤー(階層)切り替えの為に使うからです。 もし音量を変化させたい場合は、トラック・ボリューム等をオートメーションさせてください。
それゆえ、Renoid サウンドフォント版を正常に扱う為には、ベロシティによる音量変化を無効化出来るサウンドフォント・プレーヤー VSTi が必要です。 一応サウンドフォント自体にその設定は施してあるんですが、古い VSTi だと、その設定を反映してくれないんです。
僕としては「TX16Wx」「Phenome」等をお薦めしておきます。ベロシティ・ツマミをゼロにしてください。
「TX16Wx」 ・・・かなり貴重な現在進行形(開発中)のサウンドフォント・プレーヤー VSTi です。フリーでは恐らく唯一?の 64bit 対応。
「Phenome」 ・・・32bit のみですが、初期設定でベロシティ・ツマミがゼロになっているので、Renoid 的にはお薦めのフリー VSTi です。
「サウンドフォント版」の使い方・解説ムービー
上の説明だけでは分かり辛いかもしれないので、いくつかの DAW で実際に Renoid を鳴らしてみました。 ですが、僕は普段これらの DAW で曲作りをしているわけではなく、細かな間違いがあるかもしれませんので、その辺はご容赦ください。
FL Studio の場合
僕にとっては、これが一番難しかったです。FL ってこんなに複雑なのに人気あるって、ちょっと不思議になりました。
FL の場合、Pitcher を使っても歌わせる事が出来ますけど、声の繋がりが若干ぎこちない感じがします。KeroVee はノイズは多めですが、その辺は自然な感じになります。 あと、ビブラートの方法はもっと他にありそうでしたが、ちょっと僕には見つけられませんでした。遊びっ気のあるプラグインは最高ですね(笑)。
Ableton Live の場合
ムービーの中でも触れていますが、Live にはデフォルトでは LFO デバイス的な物が見つかりませんでした。 Max For Live 用のデバイスは沢山ありましたけど、そこまでやるのもなぁ〜と思って、ムービー中ではクリップ・エンベロープを使いました。
やっぱり構造も操作性も独特な DAW ですよね。人気があるのもわかります。
COCKOS REAPER の場合
これは、最初トラック2つでルーティングしようとして悩みましたが、3つ必要なんですね(違うかな??)。 それに気付いてからは、そんなに難しくはなかったです。
ちょっとメニューが多過ぎて、何がどこにあるのか分かり難い気がしますが、有志が日本語化もしてる?みたいなので、それは羨ましいですね。
Propellerhead Reason の場合
VST が使えない Reason でも Renoid が使えると知った時は僕も少し驚きました。しかも簡単にルーティング出来てすぐ鳴ったので、何か意外でした。
この中で唯一 KeroVee を使わないので、やっぱり独特な感じにはなるみたいです。 Neptune が MODホイールでビブラート操作出来るのは、定番といえば定番ですが、良いなぁと思いました。 KeroVee にも付けて欲しいですね。