■シーケンス部■ - [4] Advanced Edit

 恐らくRenoiseを使い始めた人にとって一番わかりにくいのが、このAdvanced Editだと思います。ですが、いわゆる「痒い所に手が届く」ような打ち込み補助機能なので是非マスターしておきましょう。他のTrackerから移ってきた人なら、Renoiseの便利さを実感出来ると思います。

Advanced Editor

 Advanced Editorはパターン画面()の右側に収納されています。スクロール・バーの上にある縦長のアイコン『』をクリックすれば開きます。

 この図では[2]〜[6]が閉じた状態ですが、初期設定では全て開いた状態になっていると思います。小さいディスプレイを使用している方は必要な項目だけ開いておくと便利でしょう。

 大雑把に言うと、[1]と[2]で範囲を指定して、[3]〜[6]の中から効果を選びます。では、それぞれの部分を細かく見ていきましょう。




[1]効果を与える範囲指定

 まずここで効果が及ぶ範囲を指定します。『Selection』はマウスでドラッグした任意の選択範囲の事です。

 『Column』は縦の行の事です。NoteコラムとEffectコラムがあります。それぞれ1行ずつに効果が及びます。(VolコラムとPanコラムに関してはNoteコラムとワンセットとして扱われます)




[2]効果を与える項目指定(マスク)

 [1]で指定した範囲内で、さらに細かく効果が及ぶ対象を絞り込めます。例えば『Volume』だけにチェックを入れて、他は全てチェックを外しておけば、Volumeコラムに打ち込まれた数値だけに狙いを絞れます。

 1つだけチェックを入れたい場合、右クリックで項目を選択すると他のチェックは全て外れます。




[3] Copy/Cut/Paste

 コピー・カット・ペースト等、一般的な効果を選べる場所です。

『Flip』・・・選んだ範囲内の打ち込みデータの天地をひっくり返す、少し変わった効果です。ほとんど使わないと思いますが、何か面白いフレーズが生まれるかもしれませんね。

『Shrink』・・・1列(row)飛ばしで"間引く"機能です。データが間延びし過ぎた時に使うんだと思います。当然、row数が半分に減るので、この効果を使った区間はSpeedを倍にしないと元のテンポになりません。

『Expand』・・・Shrinkの反対で、1列(row)飛ばしで"間を追加する"機能です。さらに細かいエフェクトを掛けたい時などに使います。これはrow数が倍になるので、この効果を使った区間はSpeedを半分にしないと元のテンポになりません。

『Mix-Paste』・・・Fast Trackerに付いていた機能だそうです。普通のペーストは全体的に上書きされますが、Mix-Pasteをオンにすると、音符がある部分だけ上書きされます。解説し難いんですがイメージ的に言うと、下図のBの中で無音のrow(---になってる所)は透明になってるような感じです。




[4] Notes

 移調機能がある画面です。ミラー機能はほとんど使わないんじゃないかな?

『Safemode』・・・Renoiseが対応している音域は[C-0]〜[B-9]までです。MirrorやTransposeを使った場合に、もしその音域を超えてしまう結果が出る時、その効果がキャンセルになるようにするボタンです。まぁ、そんな音域を使う事はほとんど無いと思いますが。

『Apply to』 ・・・ここで指定した音色に効果を与えます。

『Transpose:』・・・移調機能です。12stepで1オクターブです。

『Mirror:』・・・設定した音程を軸にして、それぞれの音程を上下に反転する感じです。




[5] Instruments

 既にパターン画面に打ち込んでしまった音色を、別の音色と入れ替えたり出来る画面です。

『Src.instr.』 ・・・Source instrumentの略で、元になる音色番号です。ここで指定した音色に効果を与えます。

『Dest.instr.』 ・・・Destination instrumentの略で、行く先とか目標になる音色番号です。SwapとRemap機能を使う時だけ指定します。

『Swap』・・・[Src. instr.]で指定した音色と[Dest. instr.]で指定した音色を交換します。

『Remap』・・・[Src. instr.]で指定した音色を[Dest. instr.]で指定した音色に変更します。

『Delete』・・・[Src. instr.]で指定した音色を削除します。




[6] Vol/Pan/Effects

■Interpolate:■・・・"Interpolate"は「補間する」とゆう意味で、選択範囲の最初と最後に数値を打ち込んでこの効果を使うと、間の数値を自動的に入力してくれます。


■Modify:■・・・エフェクトのパラメーター値を一括して変更・修正出来る画面です。使い方は、まず左端のセレクターで「Add(足し算)」「Sub(引き算)」「Mul(掛け算)」「Div(割り算)」「Set(設定値をそのまま入力)」「Humanize(ランダムな数値入力)」の中から使いたい作用を選びます。Add・Sub・Set・Humanizeの数値は16進法で表示されます

次に真ん中の数値をマウスの上下ドラッグで設定します。例えば、ボリューム等の値を半分にしたい時は「2.00」で割る(Div)。各パラメーター数値から3を引きたい場合は「3」を引く(Sub)。

そして最後に「Apply」を押せば実行されます。

 「Humanize」は機械的な打ち込み数値にランダムな変化を与えます。例えば「5」と打ち込んで「Humanize」すると、±5までの数値変化をランダムに付けてくれます。