■シーケンス部■ - [3] パターン・エフェクト・コマンド

パターン・エフェクト・コマンド

 パターン・エフェクト・コマンドはTracker独特の音を操る仕組みです。熟練すればするほど音を自在に変化させる事が出来ます。元々はサンプルだけを扱うように考えられていた仕組みなので、やはりサンプルを扱う事で大きな魅力を発揮します。サンプル専用のコマンドも結構あります。

 もちろんRenoiseではVSTやMIDIも扱えるようになっていますが、VSTやMIDIを扱う場合は"*AutomateDevice"や"*MidiCCDevice"を使ってオートメーションさせた方が簡単で効果的な場合もあります。これらの機能は臨機応変に使い分けてください。

 パターン・エディター画面()にエフェクト番号を入力すれば、そのエフェクト名が画面左下のステータス・バーに表示されます(例・)。ですから、これらのエフェクト番号を、きっちりと覚える必要はありません。



エフェクトのコマンド表




■■■この表を印刷したい場合はこちらを使ってください。■■■

x や y の代わりに必要な数値を入力してください。背景色が赤いコマンドはサンプル専用コマンドです。VSTやMIDIには効果がありません。

00
xy
アルペジオ
(かなり速い三連のアルペジオ。x は 1 tick 遅れて鳴る音のピッチを設定。y は 2 tick 遅れて鳴る音のピッチを設定。0〜F 半音階ずつあがります。)
01
xx
ピッチ・スライド・アップ
(スピード 00〜FF)
02
xx
ピッチ・スライド・ダウン
(スピード 00〜FF)
03
xx
セット・ボリューム
(ボリューム 00〜FF)
04
xy
ボリューム・スライサー
(x はスライス後のボリューム値 0(無音)〜 F(最大音量)。y はスライスを始める tick 位置 0〜現在のSpeed値)
05
xx
グライド・トゥ・ノート
(設定された音程まで変化するのにかかるスピード 00〜FF) - それ以前に違う音程が鳴ってないと効果無し
06
xx
ボリューム・スライド・アップ
(スピード 00〜64) - 0601 を 64 ライン並べると無音から最大音量にスライド・アップ
07
xx
ボリューム・スライド・ダウン
(スピード 00〜64) - 0701 を 64 ライン並べると最大音量から無音までスライド・ダウン
08
xx
セット・パンニング
(パンの位置 00〜FF) - 00=最も左、80=中央、FF=最も右
09
xx
サンプル・オフセット
(サンプルの途中から再生)
(オフセット位置 00〜FF) - 00=サンプルの先頭, FF=サンプルの最後尾。SampleEditor画面()の波形上をマウスでクリックすると右下にオフセット位置が表示されます。例・
0A
xx
サラウンド・ワイド
(広がり 00〜FF)
0B
xx
サンプル逆再生
(00=逆向き; 01=逆向き解除。逆再生中に正方向に戻したい時に使います) - panningコラムの B0 と B1 も同様
0C
xx
セット・トラック・ボリューム
(ボリューム 00〜FF)
0D
xx
ディレイ・ノート
(xx ticks 後ろへ)
(ticks 00〜現在のSpeed値) - 再生を xx ticks 遅らせる。volume & panningコラムの Dx も同様
0E
xy
リトリガー・ノート
(xy Ticks 毎に)
(y=ticks 0〜現在のSpeed値) - panningコラムの Ex も同様)

Effectコラムに入力する場合、x はリトリガーされたサンプルのボリュームです。リトリガーされたサンプルの音量の変化値は :

  • 0 変化なし
  • 1 -1
  • 2 -2
  • 3 -4
  • 4 -8
  • 5 -16
  • 6 *2/3
  • 7 *1/2
  • 8 変化なし
  • 9 +1
  • A +2
  • B +4
  • C +8
  • D +16
  • E *3/2
  • F *2

0F
xy
ビブラート
(x=スピード 0〜F, y=揺れ幅 0〜F)
F0
xx
セット BPM
(BPM 20〜FF)
F1
xx
セット speed
(speed 01〜0A)
F2
xx
セット・トラック・ルーティング
(00〜利用可能なステレオ・チャンネル数)
FB
00
パターン・ブレイク
(パターンの途中終了) 
FC
xx
セット・マスター・ボリューム
(ボリューム 00〜FF)
FD
xx
ディレイ・パターン
(xx ticks 後ろへ)
(ticks 00〜現在のSpeed値)
FF
00
全ノート&エフェクトのオフ
 


Effectコラムでのコマンド操作

一度トラックにエフェクターを追加すると、エフェクト・リスト内の特定の順番が割り当てられます。 エフェクト・ナンバーはその順番によります。

10〜EF
XX
エフェクト・リスト内のエフェクト

例えば :

10
04
エフェクター 1、パラメーター 1 の値が 04
11
03
エフェクター 1、パラメーター 2 の値が 03
20
07
エフェクター 2、パラメーター 1 の値が 07

エフェクト・リスト内のエフェクターをバイパスさせる方法 (on/off の切り替え):

xF
00
エフェクト x を off (バイパス=on) にする
(x=リストの 1〜E のエフェクト番号)
xF
01
エフェクト x を on にする
(x=リストの 1〜E のエフェクト番号)

(注・実際、エフェクトのon/off切り替えはよく使いますが、それ以外はオートメーションで代用した方がわかりやすいかもしれません。)



Volumeコラム

00〜80
セット・ボリューム
 
9x
ボリューム・スライド・アップ
(x=スピード 0-F)
Ax
ボリューム・スライド・ダウン
(x=スピード 0-F)
Dx
ディレイ・ノート
(x=ticks 0-E)
Fx
x ticks 後に音をカットする
(x=ticks 0-E)


Panningコラム

00〜80
パン位置のセッティング
(パン位置 00=左, 40=中央, 80=右)
9x
パンを左へスライドさせる
(x=スピード 0-F)
Ax
パンを右へスライドさせる
(x=スピード 0-F)
Bx
サンプル逆再生
(x=0-逆再生; 1=どの位置でも逆再生解除)
Dx
ディレイ・ノート
(x=ticks 0-E)
Ex
リトリガー・ノート
(x=ticks 0-E)
Fx
x ticks 後に音をカットする
(x=ticks 0-E)


Panningコラムに入力可能な MIDI / VSTi コマンド

90
CC Change を送信
エフェクト・コラムの数値XXYY。XX=コントローラー、YY=CC番号
91
ピッチベンド
エフェクト・コラムの数値XXYY。XX=全体的なピッチ変化値、YY=ファイン・チューン値。XXが40ならニュートラル、40〜7Fはピッチアップ、40〜01はピッチダウン。
92
Program change
エフェクト・コラムの数値XXXX(普通は右側の2桁で十分でしょう。プログラムNoを16進法で入力。例・30番目の音色を選ぶ時は"001E"。200番目なら"00C8")

エフェクト・コマンドの使用例

 エフェクト・コマンドというものは、実際に使ってある所を見ながら変化する音を聴かないと、なかなか理解出来ません。一応、Tipsページに幾つか参考になる説明がありますのでそちらも見てください。

 また、実際に上手い人のXRNSファイルを見るのが一番良い方法だと思います。Demoソングやチュートリアル・ソングも非常に参考になりますよ。