■はじめに■ - Renoiseとは

Renoiseの導入

 最新のTracker『Renoise』の世界へようこそ! Renoiseとは『Renoise.com』で開発されているTrackerタイプのシーケンサーです。特に最新のベータ版開発期になると、世界中のユーザーから活発な提案やバグ報告が本家フォーラムに寄せられますので、そちらも一度訪れてみてください。

 Ver.1.9になり、マルチ・コアCPUへの対応・内蔵エフェクターの一新等、ますます音楽ソフトとしての機能を充実させてきました。是非これらの機能を試してみて、Renoiseの新たな一面を実感してください。

Renoise Ver.1.9の新機能リスト

 このチュートリアルは『基本操作』『音源部』『シーケンス部』『ミキシング部』の4章構成です。左のメニューにある各タイトルをクリックすると、それぞれの章が開くようになっています。

 初心者の方でも"Renoiseがどういう音楽ソフトなのか"を理解出来るように、このチュートリアルを作ったつもりです。ですが、ここで全てを解説出来たわけではありません。後は皆さん自身で、デモソングを聴きながらいろんな画面を開いてみたり、とりあえず数値を入力したりしながら、Renoiseがどういう仕組みになっているかを感覚的に理解していってください。

 また現在の所、英語表記しかありませんが、本家のチュートリアル・ページを調べればほとんどの事はわかるでしょう。進化し続ける『Renoise コンプリート・マニュアル』です。とりあえず画像だけ見てもかなり参考になりますし、『Renoise Video Tutorials』というムービーもアップされていて、非常に役立ちます。

■ http://tutorials.renoise.com/ ■



 このチュートリアルのダウンロード版も作っておきました。単にこのチュートリアルと同じものをZip圧縮しただけですが、ある程度オフラインでも役に立つと思います。『 start.htm 』と言うファイルがトップ・ページです。

■Tutorial-19-DL.zip■

 このチュートリアル内で、所々にタブボタン画像があります。それをクリックするとRenoiseのレイアウト表示が別ウインドウで開きます。初心者の方でも画面構成がわかりやすいように作ってみました。

(例)→



デモ版のダウンロード

 まず初めにRenoiseのデモ版をダウンロード→解凍→インストールしてください。デモ版を使うだけなら、お金は掛かりません。もちろん末永く使っていこうと思われた方は、開発者さんに激励の意味も込めてレジストしましょう!

 Renoiseの場合、デモ版と言っても曲のセーブも出来ますし、定期的にノイズが入ったりする事もありません。Render機能(WAVファイルへの書き出し)やASIOが使えないという制限はありますが、普通に曲を作るには何の問題も無いはずです。むしろ、このソフトの高品質な音に驚くと思います。

http://www.renoise.com/download/renoise/ ←ここからダウンロード

最小動作環境(Ver.1.9)

プラットフォーム Win NT 5.x OS-X (PowerPC or Intel)
Version Win 2000 / Win XP, Vista, DirectX 8.0 OS-X 10.3.9 以上
CPU 800MHz以上のSSE対応CPU(64bitのCPUでも動作しますが、Renoise自体は32bitで処理されます) Mac OSX10.3が動作する全てのMac(リストを見てください)
メモリー 64MB (Win 2000), 128MB (Win XP), 512MB (Vista) 128MB
ディスプレイ・セッティング 1024 x 768, 16 bit 1024 x 768, 16 bit
ハードディスクの空き容量 1GB 1GB
オーディオ Win2000 / Win XP, Vista, DirectX 対応のサウンド・カード Mac OSXで動作するオーディオ・カード
オプション1 ASIO対応サウンドカード Mac OSXはASIOに対応していません。Core Audioを使ってください。
オプション2 MIDI-OUT端子のあるMIDIキーボード。MIDIインターフェイス。 MIDI-OUT端子のあるMIDIキーボード。MIDIインターフェイス。

 *)上の表はあくまで最低起動条件です。Ver.1.9を使ってある程度の曲を作るには、少なくとも1GHz以上のCPUと512MB以上のメモリーが必要でしょう。できればCore2Duo等のデュアルコアCPUと1GB以上のメモリーが欲しい所です。




Trackerとは

 Renoiseは、いわゆるCubaseやSONARの様な、MIDIファイルを骨格にして曲を作るシーケンサーではありません。一応、スタンダードMIDIファイルの読み込みは可能(書き出しは不可能)ですが、MIDIファイルをインポートしただけでは"Renoiseらしさ"は出し辛いでしょう。ですから「MIDIファイルをバリバリ編集したい」という方には向いてないと思います。

 イメージとしては、オーディオデータを綿密に並べて、そこに様々な効果を与えて曲を仕上げていく感じです。ACID等ともまた違います。その辺りは実際に触っていただければよくわかると思います。

 特徴としては音符の代わりに数字やアルファベットを使って音を入力する事と、全体が縦にスクロールする事です。このような仕組みの作曲ソフトの事を『Tracker』と呼びます。

 日本ではよく、こういうシーケンサーや作曲スタイルの事を『MOD』と呼びますが、海外の人達はあまりMODとは呼んでない気がします。MODと言うと、古い8chとかの.modファイルを連想するような感じかもしれません。

 さらに詳しいTrackerの解説は『めざせ tracker!(初めて tracker に触れる方へ)』のページを読んでみてください。



16進法

 Trackingをはじめる上で、説明しておかないといけないことがあります。Trackerは私たちが慣れ親しんでいる10進法ではなく、16進法で数値を打ち込みます。

 ホームページの色指定で「#4488FF」などを使いますが、それと同じです。省スペースで細かな数値を打ち込めるらしいです。こういうのは"慣れ"だと思います。

 またRenoiseの場合、数値を打ち込む以外に"オートメーション"とゆう機能もありますので、ほとんど数値を打ち込まずに曲を仕上げる事も可能です。

変換方法について

 大体の感覚で打ち込んでみて、聴いておかしくなければOKだと思いますが、几帳面な方の為に計算の仕方を説明しておきます。

◎ まず、上の表の0〜15[0〜F]までは覚えてください。

◎ 10進法から16進法への変換・・・10進法の数を16で割ります。

  • 例えば10進法で[60]の場合、[60]÷16=[3]・余り[12]です。その答えの[3]を左に、余りの[12]を右に置きます。余りの[12]は16進法では[C]ですので、[3C]となります。

◎ 16進法から10進法への変換・・・16進法の左の数に16を掛け、右の数を足します。

  • 例えば16進法で[2F]の場合、[2]×16+[F]、つまり32+15=[47]となります。



SpeedとTickについて

 あまり面白くない話題が続きますが、一応こういうものがある事は覚えておいてください。

 普通、MIDIシーケンサー等で曲のテンポを変えたい時は『BPM』というものを変更しますよね? じゃあ『Speed』って何??という事になります。

 『Speed』の設定はシャッフルやスウィング等、特殊なリズムを再現する時によく使われます。[F1xx]というエフェクトコマンドで変化を付けて、様々なリズムを作り出す事が出来ます。詳しい事に関しては『SpeedとTickについて』を読んでみてください。

 ですが、初心者の方には混乱の元にもなるので、まずは初期設定の『Speed=6』のままでTrackerに慣れてください。『BPM』に関してはMIDIシーケンサー等と同じです。