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ReWire の使い方(Windows, Mac OSX)

ReWireって何?

ReWire とは、複数のアプリケーションを接続し同期させる事が出来る機能です。複数のアプリケーション間で Audio/MIDI の情報をやりとりしながら同時にそれらのアプリケーションを操作する事が可能になります。

例えば、Logic に Renoise を接続すれば、Logic で曲の大部分のアレンジをしながら Renoise でドラムだけを打ち込んだり出来ます。 また、Renoise に Reason と Ableton Live を繋いで、Renoise で曲をアレンジし Reason の内蔵シンセをコントロール、Live でループ・プレイを楽しむ、なんて事も可能です。 ReWire に対応したアプリケーションがあれば、様々な組み合わせでトラック・メイキングを楽しむ事が出来ます。

ReWire には次の2つのモードがあります。Renoise はどちらにも対応しています。

  • "ReWire Master"

    これは一般的に「ミキサー・アプリケーション」と呼ばれ、他の "ReWire スレーブ" をコントロールする立場となります。 ReWire マスター は独占的にサウンドカードを使用します。ReWire スレーブは、マスターを通してオーディオをルーティングしなければなりません。 一度に複数のアプリケーションをスレーブとして使用する事は出来ますが、マスターは1つです。

  • "ReWire Slave"

    こちらは「シンセ・アプリケーション」と呼ばれ、ReWire マスターによってコントロールされる立場です。 スレーブはマスターからMIDI信号を受信し、マスターへとオーディオ信号を送信します。 また、スレーブからもMIDI信号を送信する事が可能なので、マスターの再生位置を変更したりする事も出来ます。

Renoise はマスターでもスレーブでも使用可能なので、他のどんなソフトとも(ReWire対応ソフトなら)接続する事が出来ます。



ReWire アプリケーションの起動・終了の手順

起動の手順

まず最初に、ReWireマスターとなるソフトを起動します。そして ReWireスレーブを起動します。

終了の手順

まず ReWireスレーブを終了します。そして ReWireマスターを終了します。

重要!! 製作中の曲をセーブする場合、その曲をマスターとスレーブ両方のアプリケーション内で個別にセーブする必要があります。 さらに、その曲をロードする場合も、マスターとスレーブでそれぞれ個別にロードしなければなりません。 ReWire はオーディオとMIDIのルーティングだけを扱います。曲やパッチのデータを自動的にセーブする事はありません。

つまり基本的なワークフローは次のようになります。

  1. ReWireマスターを起動 (以前のセッションをロード)
  2. ReWireスレーブを起動 (以前のセッションをロード)


  3. =====トラック・メイキング=====

  4. ReWireスレーブ側でセッションをセーブし、スレーブを閉じる
  5. ReWireマスター側でセッションをセーブし、マスターを閉じる


Renoise を ReWire マスターとして使う方法

まず最初に、他に ReWireマスターとなるソフトが起動していない事を確認してください。そして Renoise を起動します。 すると自動的に Renoise は ReWireマスターとなります。

"Track DSPs 画面" で "#ReWire-In Device" を選択し、どのトラックでもいいのでロードします。センド・トラックにロードするのがいいかもしれません。

"#ReWire-In Device" パネルに "Device" という欄があるのでそこをクリックすると、あなたのパソコンにインストールされているReWireスレーブのリストが表示されるので、どれか1つ選んでください。 大抵の場合、そのスレーブは自動的に起動しますが、もし起動しない場合は手動でそのスレーブ・ソフトを立ち上げてください。

これだけです。スレーブからのオーディオ信号は "#ReWire-In Device" を通して Renoise に供給されます。 もし Renoise の再生ボタンを押せばスレーブも同時に再生が始まりますし、再生ポジションを変更すればスレーブも追従します。 また、スレーブ側で再生ボタンを操作した場合、Renoise もそれに追従します。既にこれらのソフトは、互いに同期し合っています。

もし、同じスレーブからの別のオーディオ・バスを扱いたい場合は、"#ReWire-In Device" をもう1つロードし、同じスレーブ・違うチャンネルを選択してください。 こうすると、同じスレーブから複数のバスを介してオーディオ信号を個別に扱う事が出来ます。


もしスレーブがMIDIインプットを備えていれば、Renoise の "Instrument Settings" の MIDI Properties 欄にリスト表示されます。 これらを(普通のMIDIインストゥルメントと同じ様に)使う事で、例えば Renoise内で Reason の内蔵シンセを扱えます。



ReWire接続されたシンセ(Reason等)のオートメーション:

Renoise内で、ReWire MIDI インストゥルメントをロードした場合、"*MIDI-Control Device" を使ってそのシンセのパラメーターをオートメーションさせる事が出来ます。 もしそのシンセが対応しているなら、"*MIDI-Control Device" のパラメーター・リストに各パラメーター名が表示されます。





Renoise を ReWire スレーブとして使う方法

まず最初に、ReWireマスターとして使いたい音楽ソフトを起動します。その後に Renoise を起動させてください。 Renoise は「ReWireスレーブとして起動しますか?」という確認メッセージを表示しますので、"Yes" をクリックしてください。

(もしこの確認メッセージが出ない場合は、まずマスター側の ReWire設定欄で Renoise を選択してください。 そうすると大抵の場合、自動的に Renoise がスレーブとして立ち上がると思います)

多くのマルチトラック・シーケンサーでは、Renoise を "オーディオ・インプット" として選択します。 詳しい設定方法はマスター・ソフトの説明書を読んでください。

一旦マスターのミキサーに Renoise をルーティングしてしまえば、後は自由に操作出来るはずです。 Renoise のオーディオ信号はマスターへと送信されます。スタート、ストップ、再生位置変更等の操作も両ソフトで同期します。


また、Renoise を ReWireスレーブとして扱う場合のみ、環境設定パネルのオーディオ欄の表示が変化します。

2つの同期モード:
  • [Full Transport Sync]
    完全同期モードです。お互いのトランスポート操作が1つの時間軸上で行われます。普通はこちらを使います。 (ただし、パターン・シーケンサーの予約再生機能は使えません)

  • [BPM & Bar Sync]
    こちらはRenoiseのパターン・シーケンサー画面でライブ・パターン・トリガリングやループ設定が自由に操作出来るモードです。 Renoise側での再生/停止/ループ等の操作はマスター側には伝わりません。 ですからマスターの再生中にRenoiseの演奏を停止したり再スタートさせたり出来ます。 その場合でもテンポや拍の同期は保たれるので、うまく使えばライブ・プレイなんかに効果的です。

Automatically compensate latencies ボタン:
  • オンの場合:
    Renoise内でのPDC補正によって生じた全体的なタイムラグを、ReWireマスター側のタイムラインに合うように自動補正します(全体的な発音タイミングを少し前にずらす)。 この場合、Renoiseの再生開始位置にある音をスキップしてしまう("出だし"の音が鳴らない)事がありますが、同期タイミングは完璧です。
  • オフの場合:
    上記の自動補正が無くなります。Renoise内で沢山のプラグインを使っていてPDC補正量が大きい場合、ReWireマスターとRenoiseとの発音のズレが目立ちます。 それを避ける為に、ReWireマスター側でRenoiseからのオーディオ・シグナルのレーテンシー補正を適時行ってください。 レーテンシー量はこのパネルに表示されています。



Renoise を ReWire マスターまたはスレーブとして使う場合の注意点

いくつかの ReWireスレーブ・ソフトでは、トランスポート操作に制限があるかもしれません。 ReWireマスターでしかトランスポート操作が出来ない場合があります。 例えば、いくつかの ReWireマスター・ソフトは、Renoise(スレーブ)からのテンポ・チェンジやループ・チェンジ、 ポジション・チェンジを認識しません。これは Renoise の欠陥ではなく、マスター・ソフト側の ReWire対応状況による制限です。



Renoise デモ版の ReWire の機能制限

Renoise のデモ版の ReWire には2つの機能制限があります。

  1. Renoise を ReWireマスターとして使う場合、スレーブ側からのオーディオ・インプットBUSは最初の2チャンネル(マスターL&R)しか使えません。
  2. Renoise を ReWireスレーブとして使う場合、定期的なヒスノイズが挿入されます。



 Renoise本家のユーザーWikiに、ReWire対応ソフトとの相性調査を一覧表にしたスレッドがありますので参照してください。






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Renoise manual version 2.5j | http://www.renoise.com