BPM, LPB, TPLBPMとLPBBPMとLPBはコントロール・パネルで設定する事が出来ます。 BPM (Beats Per Minute)曲を作るにあたって、まず曲のテンポを設定する必要があります。その為の数値が"BPM (Beats Per Minute)"です。要は「1分間の拍数」です。 これは皆さんよくご存知だと思います。一度くらい自分の心臓の鼓動が1分間で何回鳴るかを数えた事があるでしょう。 メトロノームの数値はBPMですし、どの音楽ソフトを使ってもこの数値の意味は共通です。 Renoiseでは32〜999までの数値が設定可能です。 マスター・トラックでのオートメーション画面でのみ、BPM値のオートメーション作成が可能です。 エフェクト・コマンドの数値はFFまでしか扱えない為、BPMを設定するエフェクト・コマンド [ZTxx] では32〜256までしか扱えないということになります。
LPB (Lines Per Beat)こちらはRenoise特有の数値で、「1拍のライン数」を設定します。 すなわち、1拍のうちにプレイカーソルが何ライン進むか、という意味でもあり、LPB値が大きいほどスクロール速度は上がります(つまり分解能も上がります)。 例えば、バスドラムを拍(ビート)に合わせて入力する時、LPB値が4なら4ラインおきに入力され、LPB値が8なら、8ラインおきに入力される事になります。 この数値は1〜256まで設定可能です。256にもなると512ラインの巨大なパターンをわずか2拍でスクロールする計算になります。さらにBPMを999に設定すると・・・想像出来ますよね?(多分CPU処理が追いつかないでしょう・笑)。 マスター・トラックでのオートメーション画面でのみ、LPB値のオートメーション作成が可能です。 LPBを設定するエフェクト・コマンドは [ZLxx] です。曲中で自由に変更出来ます。 ![]()
もしLPBを 12 に設定した場合は、パターンライン数の初期設定を12×8の "96" (もしくは192)ぐらいに設定しておくと良いでしょう。 デフォルトのパターン長は メイン・メニューの Song 欄、"Song Options..." の "Default pattern length" で変更出来ます。。 TPLTPLはメイン・メニューの Song 欄、"Song Options..." の "Ticks Per Line" で変更出来ます。 ![]() TPL (Ticks Per Line)TPLもRenoise特有の数値で、「1ラインのTick数」を設定します。 Tickというのはかつての伝統的なトラッカーの基本となっていた数値で、分解能の最小値、つまり「これ以上タイミング的に細かく出来ない」という値が1Tickでした。 Renoiseも V1.9以前はTickが発音タイミングを支配していましたが、V2.0以降のディレイ・コラムとLPB値の採用によって、Tickは分解能の最小値ではなくなり発音タイミングを支配する数値でもなくなりました。 つまり現在のRenoiseでは、TickはBPM(曲のテンポ)やLPB(スクロールの速さ)には影響を与えず、独立して動作します。 では、TPLは何のためにあるかというと、1つはエフェクト・コマンドを活用するためにあります。 エフェクト・コマンド表を見てもらえばわかりますが、多くのコマンドにTick値を使います。これらトラッカーの財産を使わない手はないでしょう。 しかも、もはやTick値はスクロールの速さには影響しないため、自由な数値(1〜16)を設定可能で、エフェクト・コマンドのコントロールの幅が広がりました。 もう1つ、TPLには重要な役割があります。TPL値というのは、持続系エフェクト・コマンドの "変化の滑らかさ" に影響があります。 例えばピッチ・スライドアップ・コマンド [0U10] を入力して、LPB値を 1 にしてみてください。その状態でTPL値の 3 と 12 を比べてみてください。 TPL値が小さいと、音の変化が粗く(階段状に)なるのがわかると思います。それはそれで面白い効果が得られます。 このTPL値による "変化の滑らかさ" はオートメーションにも影響があります。 現在のオートメーション画面では、1ライン間の数値変化の補正をTick単位で行っています。 ですからTPL値は、特に理由が無ければ初期設定値の12または最大値16にしておくのがいいでしょう。 マスター・トラックでのオートメーション画面でのみ、TPL値のオートメーション作成が可能です。 TPLを設定するエフェクト・コマンドは [ZKxx] です。 ![]() |
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Renoise Japanese manual | http://www.renoise.com |