VST/AU プラグインとの MIDI 結線の方法(アルペジエーターやボコーダー)
ここでは、アルペジエーターやボコーダーに代表されるような、MIDI ノート信号のルーティングが必要なプラグインの設定方法を解説します。
1:MIDI ノート信号を送信するプラグインの結線方法(MIDI アルペジエーター等)
まず、[Plugin] タブをクリックして、VST/AU インストゥルメントの設定画面を開きます。

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その左側にある "MIDI Routing" という欄を見てください。
ここは、いわゆる "MIDI プラグイン(アルペジエーター等)" を使う時に必要な設定です。
MIDI プラグインは、それ自体では音が出ないので、音を鳴らしてくれる相手(MIDI 信号の送り先)をここで指定します。
例えば下図は、"Kirnu 1.2" というアルペジエーター VSTi の設定欄で、その下にある "chip square C1" というサンプルを MIDI 信号の送り先に指定しています。
この並び順は、インストゥルメント・セレクターでの順番を表しています。
ただし注意が必要なのは、MIDI プラグインは、それよりも下に並んでいるインストゥルメントにしか MIDI 信号を送れません。
下図を見てもらえば、上に並んでいるものには (N/A) と書かれているのが分かると思います。(Not Applicable : 該当せず、という意味)
もし目的の送り先が (N/A) となってリストの上側にある場合は、インストゥルメント・セレクターで並び順を入れ替えてください。

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これで結線は完了ですが、MIDI アルペジエーターを作動させたい時には、必ずインストゥルメント・セレクターでその MIDI プラグインを選択してから鍵盤を演奏してください。
間違って送り先の方を選択していると、アルペジエーターは作動しません。

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MIDI プラグインで、送り先のインストゥルメントのフレーズ機能をトリガーする事は出来ません。
あくまで「MIDI アルペジエーター or フレーズ機能」どちらを使うかの二者択一になります。
2:MIDI ノート信号を受信するプラグインの結線方法(ボコーダー、ピッチ・コレクター等)
この用途で一番代表的なのはボコーダーだと思うんですが、MIDIノート信号入力に対応しているボコーダー・FXプラグインは意外に少ないんですね。海外のプラグインでも数えるほどでした。
そんな中、Windows用ですが、日本のg200kgさんの "Vocovee" というボコーダーが出色の完成度です。今回はこれを使って説明させていただきます。
目的のトラックにエフェクターをロード
まずは、目的のトラックの "トラック・エフェクト画面" にエフェクターをロードします。ここではボーカル・トラックに "Vocovee" をロードしました。
もし、リアルタイムでボーカル等を外部から入力したい場合は、"Vocovee" の前に "#Line Input" デバイスをロードしてマイクを繋げてください。
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Vocovee はエフェクターですが、この場合はMIDIノート信号を操作する為、インストゥルメント・スロットを使います。
VST/AU インストゥルメント・リストを開く
そのインストゥルメント・セレクターの真下にあるインストゥルメント・プロパティ画面(または画面左側の[Plugin] タブ画面でもOK)のインストゥルメント・リストを開いてください。
リストの一番上に、"VST FX alias" という項目が出現するのでそれを開いて "vocovee (Track:-- Device:--)" を選びます。
「alias」を訳すと「別名」という意味ですが、「仮にここにインストゥルメントとしてリストアップしてますよ」という意味だと思ってください。
これで、Vocovee の FX alias をインストゥルメントのように扱ってMIDIノート信号を送れるようになりました。
ボーカル・トラックを再生させる、またはリアルタイムにマイクで喋りながら、パソコン鍵盤を押してみてください。あなたの声を自由自在にボコーディング出来ます。
また、FX alias はMIDI信号を送信しているだけなので、ノート・データをどのトラックに記録しても問題ありません。
基本的にボコーダーやAuto-Tune系のエフェクターなら上記の方法で使用出来ます。
また、"dblue Glitch" 等はMIDIノート信号でパターンを切り替える事が出来ます。
その他のMIDI信号をエフェクターに送る
FX alias はMIDIノート情報だけではなく、MIDI-CCやプログラムチェンジ信号も送る事が出来ます。
例えば、FX alias を使ってパターン・エディタにプログラムチェンジ信号を入力しておけば、曲の再生中にそのエフェクターのプリセットを変更する事も可能です。
注)ただしこれらの機能は、エフェクター側が各MIDI信号の入力に対応していないと使えません。エフェクターの取扱説明書を確認してください。
かなりトリッキーな技ですが、いろいろ使い道を研究してみてください。
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