Pattern editor

Pattern editor では、実際の 曲作りの作業の全てを行います。 パターン画面上で音が鳴る場所を決め、音程等を入力していきます。

曲は少なくとも1つのパターンを持っています。(たいていの曲はもっと長い 音の道のり を持っていますが)。
パターンの初期設定の長さは 64 ライン (rows) です。しかしこの数字は Position editor の "Pattern length" の所にある 白い三角の左右の矢印をクリックすれば簡単に変更出来ます。

4の部分が Pattern editor 画面です。


Pattern editor


画面の配置 (左上から右下へ)


  • Edit On/Off
    Edit/Record モードが有効かどうかを表しています。
  • トラックの名前
    それぞれのトラックは名前を入力でき、変更も可能です。変更するには名前をクリックして BackSpace で消してから、新しい名前を入力し Enter を押せば OK です。
  • 緑色の Play/黄色の OFF/赤色の Mute
    マウスの左ボタンをパターン・エディタ画面のトラック上でダブルクリックすると、トラックの Play/OFF の切り替えが可能です。 同じようにマウスの右ボタンをダブルクリックすると、そのトラックのソロ状態での再生が可能になります。もう一度ダブルクリックすれば解除出来ます。 OFF の状態では、そのトラックの音は全て止まりますが、キーボードを弾いて音を鳴らす事は可能です。
  • Number next to the Play/Mute indicator
    This is the Track number.(V1.27以降は表示されません)
  • 白い矢印
    それらをクリックすれば追加のノート・コラムやエフェクト・コラムを開 (→) 閉 (←) 出来ます。
  • 白い Play マーク
    もし一つのトラック内に複数のノート・コラムを使っている場合、ココをクリックすればコラムを個別にオン/オフ出来ます。


マウスのボタンを押したまま、マウスを動かせば (ドラッグすれば) ブロックをマーク出来ます。

パターン・コラムの構成


これはトラックのコラムの例です。:

C-4 01 02 03 0423

  • ノート・コラム
    'C-4' の部分です。これは4オクターブ目の 'C' の音程とゆう意味です。
  • インストゥルメント番号 (音色番号)
    01 の部分です。インストゥルメント 01 を選択している状態です。
  • ボリューム・コラム
    02 の部分です。インストゥルメントのボリュームが 02 の値に設定された状態です。
  • パン・コラム
    03 の部分です。左右のパンを設定します。(左右のスピーカーの間のバランスです)。
  • エフェクト・コラム
    0423 の部分です。04 はエフェクト・コマンド番号で、23 はコマンドのパラメーター値です。


すべてのパターン・コマンド関連は パターン・エフェクト・コマンド のページを参照してください。

パターン・エディタの使い方


とてもシンプルです。まず、いくつかのサンプル (又は、デモやチュートリアル・ソング) をロードしてください。 そして使いたいインストゥルメントを (3) Instrument selector で選び、 バーチャル・ピアノ・キー を弾いて音を試してみましょう。 パターン・カーソル (色が変わった小さな長方形の部分) を打ち込みたいトラックのノート・コラムへ動かします (矢印キー)。 Edit on/off マーク をクリックしてエディット・モードをオンの状態にします。 これで、バーチャル・ピアノ・キー (又は MIDI キーボード) を弾けば音程が入力出来ます。 Delete キーを押せば削除出来ますし、Insert キーは 1 row 分のスペースを挿入出来ます。 音が鳴っているのを止めたり、ループして鳴り続けているインストゥルメントの音をカットしたい時は Note OFF コマンド (Shift を押しながら CapsLock) を入力すれば OK です。 一度、再生ボタンを押してどんな感じになったか確認してみてください。

もし、一音ずつ打ち込むよりもリアルタイムで録音する方がいいのなら、Edit モードをオンにして再生ボタンを押してください。 その状態でキーを弾けば、リアルタイムでトラックに録音出来ます。

トラックに音程を打ち込んだ時、音色番号が自動的にその隣に表示されます。 もし必要ならその番号は変更も可能ですし、変更すれば他の音色で同じ音程を鳴らせます。

また、ノート・コラムやエフェクト・コラムは一つのトラック内で追加・拡張する事が出来ます。 トラックの名前の下、対応する白い矢印をクリックするだけです。 ちょっと想像してみてください。いくつかのコードを入力し、DSP エフェクトも使いたいとします。 一般的には3つの音を3つのトラックにまたがって打ち込み、それぞれに同じ DSP エフェクトを掛けるか、 センド・トラックへ送るでしょう。ですが、このコラム追加機能を使えば、 一つのトラックに 10 個までノート・コラムが増やせて、コードを打ち込むのも簡単です。 エフェクト・コラムも 4 個まで増やせるので、同時に 4 つのエフェクトが使えます。 (けれど、トラック・エンベロープを使えば 4 個までなんて制限は無いですし、そちらをお薦めします)。

パターン・エディタにはたくさんの キーボード・ショートカット がありますし、 それらを使えば作業効率がグンと上がりますよ!

エフェクト・コラムとオートメーション


もしオートメーション機能をご存知なければ、まず オートメーション ページを読んでみてください。

しかし、エフェクト・コラムは FastTracker 2 のような古いトラッカーと両立出来るように残してあります。 それらはそれぞれのトラックをより良くコントロール出来るからです。 ですが、たいていの場合、おそらくこのようなエフェクト番号を使う必要は無いでしょう。 Renoise はもっと良い方法でそれらの変化の値を入力出来るからです。 それが トラック・エンベロープ です。 これはトラックに使いたいエフェクトを自由に掛けられる、とてもパワフルで簡単な方法です。

もし、エフェクト・コラムの方がやり易いなら一つ一つ打ち込む事も可能です。 ですが、あまりお薦め出来ません。なぜならそれは、オートメーション・カーブを作るよりも大変な作業だからです。
トラック内でエフェクトを実行させる簡単な方法は、マウスの右ボタンで DSP エフェクトのスライダーを動かしながら録音する方法です。 その時、もし 左の Shift キー を一緒に押さえていれば、Renoise は自動的に スライダーの動きを新しいオートメーション・カーブに記録してくれます! また、エフェクトの interpolation (補間) のキーボード・ショートカットを使って パターンの全体にまたがるようなエフェクトを入力する事も出来ます。 最初と最後のエフェクト値だけを入力して、全体をブロックとしてマウスでマークした後 interpolation を使えば、その間のエフェクト・コラムの数値を全て自動的に入力してくれます。一つ一つ数値を打ち込まなくてもいいんです。 この方法はエフェクト・コマンドを打ち込むのをより簡単にしてくれるでしょう。

マスター・トラック


マスター・トラックは pattern editor の中の特殊な種類のトラックです。 既にこのトラックについては、"はじめてみよう" の エフェクトのページ で述べています。 このトラックでは 曲全体 に掛かるエフェクトを設定出来ます。 例えば、このトラックにイコライザー (EQ) を設定してそのスライダーの値を動かせば、 曲全体がこの EQ の影響を受けるでしょう。
このトラックでは、コンプレッサーやリバーブ等のようなマスタリング用のエフェクトを使うのが効果的です。
一つ注意して欲しいのは、ここのエフェクトの row は DSP stack (積み重ね?) にしか影響を与える事が出来ません。 言い換えれば、ここに arpeggio エフェクトを設定しても曲全体には掛けられないとゆう事です。

マスター・トラックは特別な機能を持っています。
  • DC Filter
    マスター DC (Direct Current) offset を取り除きます。平均的な波形の中心を計算して マスターの WAVE (曲) をゼロを中心になるように置きます。 (波形の "ゼロ" が、本当のデジタルなゼロの上か下にずれたままにならないように)。
  • Declipper
    強力なリミッターとして動作します。 もしマスター・シグナルが大き過ぎるなら、サンプルの最大値を超えた波形の端の部分を滑らかにすることによって、 このフィルター無しで引き起こされた歪みの量を少なくします。 この機能を使う事は推奨しません。 なぜならそれはあなたの曲の音をゆがめてしまうかもしれないからです。
  • Dither
    dithering によって、低いボリュームの output をスムースにします。(noise shaping)。 低いボリュームの時はサンプルを定義するのにほとんど bit を使いません。 ですから必要とされていない周波数が音の中に増えてしまいます。 これは内部で 32-bit でミキシングした音を、外部に 16-bit で送る時に起こります。 dither を使えば、こういう output のクオリティを改善出来ます。 注意して欲しいのは、dithering は 心理的な聴覚の効果を利用していて WAVE に故意のノイズを入れます。しかし、そうする事で WAVE の音はより自然に聞こえます。


    「DC Filter」は DC ノイズのフィルタですね。 低性能のサウンドカードなどで REC. した場合に乗ることがある直流電圧のノイズによる 音の「ズレ」をオフセットして修正します。

    「Declipper」はクリップリミッタというものと同一のものですね。簡単に言うと 録音レベルが大きすぎる時の、ノイズが出たり歪んだりする現象を制御するものです。 この場合は、「出力データで音が大きすぎるよ、割れちゃうかも。だから最大値を平均化するよ」 といったカンジの動作ですね。 あまり推薦していないのは、平均化=迫力(抑揚)の低下となる可能性があるということ。 多少のクリップは「味」ですから♪

    「Dither」はデイザー(ディザ)と言いますね。 一般的には量子化によるノイズを目立たなくさせるモノです。 要約するとA/D変換時の低レベルの誤差が原因となるノイズや歪みを、 新たにノイズを加えることで改善するというややこしい処理です。 多分、周波数の内部変換時の音の補正を行うんでしょう。 小音量のトラックでノイズが気になったときや、F_IN/OUT 時のノイズが 気になる時に使ってみるものでしょうね。(by TERさん)

センド・トラック


既に エフェクトのページ で、センド・トラックについては述べています。 センド・トラックを知らない方は、まずそこを読んでみてください。

センド・トラックを使えば、CPU の使用も効率的になります。 もし、リバーブの DSP を同じセッティングで 10 トラックに設定するとすれば、10 回も計算をしなければなりません。 もしそれをセンド・トラックに設定すれば、計算は一回で済みますし、後はいくつかのトラックの output をそれぞれセンド・トラックに送っておけばいいんです。

トラック使用の組織化


Renoise ではトラック名を自由に変えられます。 おそらくドラムセクションのために 8 トラック以上は必要ないでしょうから、 最初の 8 トラックをドラムセクション用に使って、それぞれに適当な名前を付けておきましょう。 トラック9はベース、それからストリングス、ピアノ・・・とゆう感じにします。 もしドラムセクションのために、それら全てのトラックを使わない場合でも、空のトラックのまま再生させれば Renoise にとって大した負担にはなりません。 しかし、あなたがドラムやハイハット、ストリングス等のトラックを探すのには少々厄介です。 ですから、そのような場合には、探しやすいようにトラックの間をくっつけておきましょう。Renoise はトラック位置も自由に変更出来ます。

16 進法の番号表記


もしかしたら、パターン画面なんかに入力されている番号を不思議に思っている方がいるかもしれません。 "1C" みたいな感じの番号です。もし 16 進法の番号についてご存知なら、この説明は飛ばしてもらって問題ありません。 もしご存知なければ多少の説明が必要でしょう。これは全てのトラッカーに当てはまる、少し特別なことです。 あなたはこれに適応する必要がありますが、すぐに理解出来ますし大した事ではありません。 16 進法を使う事によって、より少ない文字でより大きな番号を表示できるんです。 (スペースを取らないのは重要です)。 そうでなければ、長い番号を並べたトラックに画面の幅を占領されてしまいます。 (出来る限りたくさんのトラックを一画面で見たいでしょ?)。 もしたくさんのエフェクト・コラムも使っているなら、16 進法を使う理由は明らかでしょう。

16 進法では、10 進法で基本となる "10" の代わりに "16" が基本になります。 これは 16 の異なった数字があるとゆうことです。 0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F,です。 ここにいくつか例をあげると:

  • 01 hex (16進法) =01 dec (10進法)
  • 0A hex (16進法) =10 dec (10進法) (10進法は0〜9の数字をすべて使った後に一桁上がります)
  • 0F hex (16進法) =15 dec (10進法) (16進法で桁が上がる前の最後の数字です)
  • 10 hex (16進法) =16 dec (10進法) (0〜Fの数字をすべて使って、ここで一桁上がります)
  • 1F hex (16進法) =31 dec (10進法)


これを見て脅されているように思うかもしれませんが、心配いりません。 そんな数字の変換は考える必要さえ無いんです。 例えば : ボリューム・コラムには 16 進法で 00-40 の数値しか使いません。 もしボリューム最大にしたければ 40 と入力します。中間は 20 です。25% は 10 です。 それらにあたる 10 進法の番号は 64, 32, 16 です。 この場合では、適当なボリュームを入力するには 16 進法の方が簡単でさえあります。 しかし、もしこれらすべてが複雑だと思うなら、インストゥルメント・エンベロープトラック・エンベロープ を試してみてください。 そこでは同じボリュームの変化をグラフを使って入力出来ます。 また、DSP のボリューム・スライダーをマウスの右ボタンで動かして記録してみてください。 Renoise が自動的に、適切な 16 進法の数値に変換して入力してくれます。

最後にもしあなたが初心者なら、エフェクト・コラムや 16 進法について、あまり難しく考えないでください。 そのうちに理解出来るようになりますし、最初のうちはあまり使う機会も無いはずですから。

トップへ戻る

Renoise manual version 1.0a | http://www.renoise.com