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サンプルを鳴らす

ここでは少し大雑把にサンプルの扱い方を解説します。最初から全ての機能を知る必要は無いでしょう。 Renoise の扱いに慣れてきてステップアップしたくなったら細かな機能をチェックしてみてください。



サンプルを"使える"インストゥルメントにする

多くのサンプルは、ただロードしただけでは短い音が鳴るだけです(ドラム系はそれで十分ですが)。必要最低限の機能として、ループの設定とボリューム・エンベロープの設定を解説します。

サンプルのロード

とにかく何でもいいので、サンプルをロードしましょう。ここではサンプラーのプリセットから適当にロードしてみます。

サンプラー画面を開き、ウェーブフォーム画面を開きます。 その右側にあるプリセット・セレクターをクリックし、サンプル・リストの中から、"Basics" カテゴリーの "elm_s_mw_1" というサンプルをロードします(下図参照)。



ウェーブフォーム画面

すると、そこに "elm_s_mw_1" の波形が表示されています。

ここで、パソコン鍵盤のZキーを押してみてください。ド(C-4)の音が鳴り、波形上をプレイ・ラインが何度も行き来するのがわかると思います。



ループの設定

この "elm_s_mw_1" というサンプルには、あらかじめ波形の両端にループが設定されていて、音が綺麗に鳴り続けます。
波形の左端の [S] ラインがループスタート、右端の [E] ラインがループエンドです。

ですが普通は、手動でループ・ラインの [S], [E] となった所をマウスでつまんでラインを動かし、「ループさせるのにちょうどいい地点」を探す必要があります。

右上にスナップという機能があって、これを "0 Crossing" という設定でオンにすると、波形が中心線と交わる点にループ・ラインをスナップしてくれるので、 比較的スムーズなループ・ポイントを見つけやすいでしょう。図の様に少しループラインを動かして、音が綺麗に鳴るように設定してみてください。

波形の下、真ん中あたりに"Forward"と表示されている欄があると思います。 そこをクリックすると各種ループ・タイプが表示されるので、一通りタイプを変更して違いを確認してください。



モジュレーション・エンベロープ

さて、今はまだループを設定しただけなので、鍵盤を押すとブーっと鳴って、放すと音がバッサリ切れる感じです。 ここにもう少し繊細な音の変化を与えたいので、モジュレーション画面を開きます。 ウェーブフォーム画面の右隣りの [Modulation] をクリックしてください。

このモジュレーション画面の左下にあるのがモジュレーション・デバイス・リストです。 8つデバイスがあるのですが、これらを組み合わせて思い描く音の変化グラフを作ります。

今回は一番分かり易い「AHDSRデバイス」を使ってみましょうか。 普通のシンセにも「ADSR(アタック、ディケイ、サスティン、リリース)」というスライダーがありますよね。それと同じ働きをするデバイスです。

上図のように、[Volume] ボタンが押されている事を確認してください。これで、このサンプルの "音量" に対してデバイスを挿入出来ます。 デバイス・リストの "AHDSR" をダブルクリックすれば、右側にAHDSRデバイスがロードされます。

その Attack や Release スライダーを右側に動かして、パソコン鍵盤で音を確認してみてください。 鍵盤を押すと音がゆったりと立ち上がって、鍵盤を放すとゆったりと消えて行くようになったと思います。


次に「LFOデバイス」も使ってみましょうか。デバイス同士を組み合わせる面白さを感じてみてください。

また同じように、リストから "LFO" をダブルクリックしてロードします。 ロードした直後はグラフが画面いっぱいに振り切れて凄い状態になっていると思いますが、スライダーを調節する事で形を整える事が出来ます。

  • まず、グラフの上下の振れ幅が大き過ぎるので、"Input" と書かれた縦のスライダーを少し下げます。 ここでグラフの上下の変化率を調整できます。

  • LFOデバイスの「Frequency」と「Amplitude」を調整します。 「Frequency」は揺れのスピード(左右幅)、「Amplitude」は揺れの幅(上下幅)を調整できます。

  • LFOデバイスの「Delay」を調整します。 これは揺れ始めの地点を遅らせる事が出来るスライダーです。 ここではサスティンが始まる辺りからLFOを効かせてあります。ちょうど音が伸び始める所から揺れ出す感じですね。


あともう1つだけ、「Faderデバイス」も加えましょう。 これもデバイスをロードした直後はグラフが極端に小さくなりますが、「Duration」というスライダーを調整すると良い感じになります。 「Duration」はフェードが掛かる長さを調整します。


どうでしょう? 何となく、最初は無機質だった音が、表情豊かに変わったと思いませんか? 

今回はボリューム・エンベロープだけを設定しましたが、他にもパン、ピッチ、フィルターのカットオフ、レゾナンス等のエンベロープも設定出来ます。 各デバイスのパラメーターについては第二章のモジュレーション画面のページで解説しています。

Renoiseに内蔵されているXRNIファイルは、こういった設定が上手に施されています。 いろんなXRNIファイルをロードして、エンベロープがどのように動いているかを知る事が上達の手助けになるでしょう。



サンプル・プロパティ画面

最後に、もう一歩踏み込んだサンプル・プロパティの設定を見てみましょう。サンプラー画面の左下辺りです。

ここがサンプル・プロパティ画面で、サンプル個々のボリューム調整・パン設定・チューニングなどが行えるようになっています。 今回はこの画面では変更を加えませんが、こういう設定が出来るという事も知っておいてください。

  • Beatsync 機能 ・・・リズム系のループ・サンプルに有効な機能です。 Syncをオンにして数値(パターンのライン数を表している)を設定すると、常にそのライン数にピッタリの長さでループが再生されます。 ただしこの機能は元のサンプルの再生時間の長さを変更するため、メロディー系のサンプルには不向きです(音程が変わってしまいます)。

  • Mute Group ・・・オルタネイト・グループ。複数のサンプルを同じグループに設定しておくと、それらのサンプルはお互いにカットし合うようになります。 例えば、ハイハットのオープンとクローズみたいに、どちらかが鳴っている時はどちらかがカットされるようになります。

  • NNA 機能 (new note action) ・・・これは新しい音が鳴る瞬間に、前に鳴っていた音がどのように減退していくかを設定する機能です。 詳しく知りたい方は「NNAについて」のページを参照してください。

  • Playback(Autoseek)機能 ・・・この機能をオンにすると、一般的なオーディオ・チャンネルのようにサンプルを扱う事が出来ます。 曲をどのポジションから再生しても、そのサンプルの現在の再生ポイントを自動で検索してくれる機能です。 これによって、長いサンプルを一々先頭からトリガーする必要が無くなります。 ボーカル、アンビエントな効果音、録音された音等、長いサンプルには特に効果的です。




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