サンプラー:モジュレーション画面
[Modulation] と書かれたボタンをクリックすれば、モジュレーション画面が開きます。
サンプルの音にモジュレーション(変化, 抑揚)を加える事で、その音の可能性はさらに広がります。

モジュレーション・セット
Renoise のサンプラーでは、サンプルの基本的な5つの要素(音量、パン、ピッチ、そしてフィルターのカットオフ、レゾナンス)に対して
モジュレーション・エンベロープを扱う事ができ、それらを1セットにしたものを「モジュレーション・セット」と呼びます。(以下「Mod セット」と表記します)
1つのサンプルに対して、1つの Mod セットを適用できます。
Renoise インストゥルメント内では何個でも Mod セットを作成出来るので、各サンプル毎に個別の Mod セットを用意する事も可能です。
また沢山のサンプルが1つの Mod セットを共有する場合ももちろんあります(そういうケースの方が多いでしょう)。

上図の左側の「Assigned to」と書いてある所は、現在選択中のサンプルが、どの Mod セットに繋がっているかを表示しています。
一番左端の ● マークを見れば、このサンプルには「Set 01」という名前の Mod セットが適用されている事がわかります。
もし、● マークを「Set 02」に動かせば、現在のサンプルに「Set 02」という Mod セットが適用される事になります。
「Set 01」という Mod セットには、右側で表示されているような5つのモジュレーション・エンベロープが設定されています。
必ずしも5つ全てのエンベロープを設定する必要は無く、例えば「Set 02」のように音量とピッチだけに設定しても構いません。
そのModセット名等が表示されている部分で右クリック・メニューを開くと Mod セットの追加や削除が出来ます。

Cut, Copy, Paste, Delete All Devices
モジュレーション・エンベロープに設定している全てのデバイスを一括で、カット、コピー、ペースト、削除します。
Insert New Set, Delete Set, Duplicate Set
Mod セットの新規追加、削除、複製。
Load..., Save As...
Mod セットはセーブして他の曲に使う事も出来ます。拡張子は .xrno です。
モジュレーション・エンベロープの作成方法
では、どうやって上図の右側のようなエンベロープを描くのか?と言いますと、
下図の左側のリストに表示されている8つのデバイスを組み合わせて、様々な変化エンベロープを生み出します。

この図を左側から説明します。
デバイス・リスト
このリストに表示されている各デバイス名をダブルクリック、又は画面右側へドラッグ&ドロップすれば、そのデバイスがロードされます。
6つの要素の選択ボタン
Volume, Panning, Pitch, Cutoff, Resonance, Drive の中から、エンベロープを設定したい要素を選択します。
Cutoff と Resonance の部分に関しては、他の要素が表示される事もあります。
この図では「LP K35」を選んでいますが、もっと他のフィルターや、EQ、ディストーション等に変更すると、エンベロープ要素もそれに従い変化します。
インプット・スライダー
これはエンベロープ・グラフの上下の大きさを調整出来ます。
グラフの形は気に入っているけれど、上下幅だけ狭くしたい時なんかにここを下げると良いでしょう。
[+] [-] [*] [/] ボタン
これは言葉で説明すると難しいんですが、エンベロープ・グラフに対して各デバイスがどういう演算方法で変化を与えるか、を切り替えるボタンです。
足し算、引き算、掛け算、割り算、って意味なんですが、理屈よりも実際に切り替えてみてください。
(ここを切り替えるとグラフが上下に振り切れてしまう場合があるので、インプット・スライダーで調整してください。)
各デバイスの説明
各デバイスに共通した操作ボタン
-
・・・デバイスを削除。
-
・・・デバイスの表示を折り畳む。
-
・・・デバイスの順番を左右に入れ替える。右クリックでボタンをクリックすると、デバイス・チェインの先頭/最後尾へジャンプします。
-
・・・チェックを外すとそのデバイスは無効化されます。
-
・・・オンにすると、各パラメーターの値がミリ秒単位で表示されます。オフなら拍数(beat単位)になります。
-
・・・オンにすると、+と−(正と負の値。バイポーラー)で処理されます。オフならプラスの値だけ(ユニポーラー)で処理されます。
AHDSR
いわゆる普通のシンセに付いているADSRと同じです。とりあえずこれを使っておけば抑揚は付けられます。
Attack
アタック。どれだけ素早く音が立ち上るかを時間で設定。(上り坂)
Hold
ホールド。アタックで立ち上がった音量が、このホールド値の時間分、保たれます。(横ばい)
Decay
ディケイ。サスティンで設定する音量まで減退するのに掛かる時間を設定。(下り坂)
Sustin
サスティン。鍵盤が放されるまで(ノートオフ信号が来るまで)鳴り続ける音量を設定。
Release
リリース。ノートオフ後、音がゼロになるまでの時間を設定。(下り坂)
Envelope
これは、自分でポイントを追加していって、思うがままのエンベロープを描けるデバイスです。
その描いたグラフがそのまま音に反映されるので、最も直感的なデバイスかもしれません。
グラフ上のポイントを左クリックで選んで上下左右に動かせます。
「左 Ctrl」を押しながらポイントを動かすと上下方向にしか動かなくなるので、数値を微妙に変更したい時に便利です。
何も無い所をダブルクリックすると新たなポイントが追加され、逆に既にあるポイントをダブルクリックすると、そのポイントは削除されます。
画面下部の数値ボックスの説明(左から)
選択中のポイントの時間を表示
選択中のポイントの数値を表示
エンベロープ・グラフのタイプ選択
- Points・・・次のポイントに差し掛かるまで音量が変わらない階段状の変化グラフ。
- Linear・・・ポイント間を直線的につなぐ変化グラフ。
- Curve・・・ポイント間を曲線的につなぐ変化グラフ。
エンベロープ画面の横幅を表示
つまり、長いエンベロープを描きたい場合は、まずここを広げる必要があります。
画面右側のオプションの説明(上から)
Ext. Editor
このボタンを押すと、モジュレーション画面の中央にグラフ編集画面が大きく表示されます(詳しくはこのページの一番下で解説します)。
Loop
- Forward・・・ループ設定区間を左から右へループします。
- Reverse・・・ループ設定区間を右から左へループします。
- PingPong・・・ループ設定区間を左→右→左→右・・・と行ったり来たりするようなループ方式です。
Sustain
ここをオンにすると、グラフ上にサスティン設定ラインが現れます。サスティン・ラインの四角い部分をマウスで左右に動かせます。
この場合、エンベロープを辿って来た音は、サスティン・ラインで留まって鳴り続け、ノートオフ信号を受信すればリリースされます。
Release
ノートオフ信号を受信してから、どのくらいの速さで音が減退するかを設定します。高い値ほど早く音が無くなります(ゼロにしてしまうと音が消えなくなってしまいます)。
この設定は音量エンベロープにしか出現しません。
お気に入り登録ボタン
自分の気に入ったエンベロープ・グラフを6つまで記憶させておく事ができます。
各ボタンを右クリックで現在表示中のグラフを登録。左クリックで以前登録したグラフを呼び出せます。
Fader
だんだん大きく、だんだん小さくなるような影響をグラフに与えるデバイス。他のデバイスと組み合わせて使うと、よりその効果を活かせます。
Scaling
フェードの変化率というか、変化の仕方を選べます(アイコンの形を参考にしてください)。
From
フェードを開始する数値。
To
フェードが終わる数値。
(これら、From と To の関係でフェードイン/フェードアウトを切り替えられます。
つまり、From が To より大きい場合は右下がりのフェードアウト効果、From が To より小さい場合は右上がりのフェードイン効果になります)
Duration
フェードが終わるまでの時間的な長さ(つまりフェード区間の長さ)。
Delay
フェードのスタート位置を遅らせる事が出来ます。最初はフェードを掛けずに、途中からフェードさせたい場合等に設定します。
Key Tracking
弾く鍵盤の音の高さ(キー)によって出力値を変えるデバイス。Min と Max で音域の幅を設定出来ます。
LFO
規則的に上下に揺れ続けるグラフを描きたいなら、このデバイスを使います。他のデバイスと組み合わせても面白いです。
Mode
アイコンの通り、サイン波、ノコギリ波、パルス波、ランダム、から揺れの動作波形を選べます。
Frequency
揺れのスピード。
Amplitude
揺れ幅の最大値を設定(つまり上下の揺れ幅)。
Dephase
位相をずらすという意味ですが、つまり、波形のサイクルのどの部分から揺れをスタートさせるかを設定します。
Delay
揺れが始まる位置を遅らせる事が出来ます。最初しばらくは揺らさず、途中から揺れを発生させたい場合等に設定します。
Operand
オペランドって読むのかな? 調べてみましたがこれは訳しようが無いですね。「演算の対象となる数値」だそうです。
簡単に言うと設定した数値を出力するだけのもので、各デバイスの先頭にあるインプット・スライダーと同じだそうです。
Stepper
鍵盤を弾く(ノートオン)毎にカーソルラインが進むステップ数(ジャンプ幅)を設定し、グラフに沿って出力値を変化させる事が出来るデバイス。
カーソルラインのステップの動きは、グラフの最後まで行くと再び最初に戻ります。
つまり、グラフの長さがステップ値で割り切れない場合、次の周のシーケンスは以前とは違うものになります。
グラフ上のポイントを左クリックで選んで上下左右に動かせます。
「左 Ctrl」を押しながらポイントを動かすと上下方向にしか動かなくなるので、数値を微妙に変更したい時に便利です。
何も無い所をダブルクリックすると新たなポイントが追加され、逆に既にあるポイントをダブルクリックすると、そのポイントは削除されます。
エンベロープ・グラフのタイプ選択
- Points・・・次のポイントに差し掛かるまで音量が変わらない階段状の変化グラフ。
- Linear・・・ポイント間を直線的につなぐ変化グラフ。
- Curve・・・ポイント間を曲線的につなぐ変化グラフ。
Length
グラフの長さというか、横の目盛の数。
Ext. Editor
このボタンを押すと、モジュレーション画面の中央にグラフ編集画面が大きく表示されます(詳しくはこのページの一番下で解説します)。
Step
鍵盤を叩いた時(ノートオン時)にカーソルラインが進むステップ数。
ここをゼロより下の "Rand" という数値にすると、ランダムなステップでカーソルがジャンプします。
Reset
現在のカーソル位置をグラフの最初に戻します。ここにマクロ・マッピングしておくと、カーソル位置をコントロール出来ます。
Velocity Tracking
鍵盤を弾く強さ(ベロシティ)によって出力値を変えるデバイス。Min と Max でベロシティ・レンジを設定出来ます。
Clamp Mode
固定的にベロシティ数値をそのまま認識する。
ただし、設定した Min/Max値をオーバーした場合、例えば Max値を 80 と設定した場合に、もし 100 を受信したとしても、それは Max値である 80 とみなされます。
Scale Mode
比例的にベロシティ数値を認識する。Min / Max で設定した範囲を100%とみなすモード。
Min
最小値。
Max
最大値。
エンベロープ・デバイス用 External Editor
これはエンベロープ・デバイスにだけ付いている機能ですが、[Ext. Editor] というボタンを押すと、モジュレーション画面の中央に大きなエンベロープ編集画面が表示されます。
普段の小さな画面より遥かに作業しやすく多機能なので活用してください。
Draw
ドローモードは、エンベロープ・ポイントをマウスで自由に描けるモードです。
Time
選択中のポイントの時間を表示。
グリッドにスナップ
ポイントを左右の時間軸に沿って動かす時に、グリッド・ラインにスナップします。
Value
選択中のポイントの数値を表示。
数値にスナップ
ポイントを上下に動かす時に、隣の数値ボックスで指定した間隔で、数値にスナップします。
エンベロープ・グラフのタイプ選択
- Points・・・次のポイントに差し掛かるまで音量が変わらない階段状の変化グラフ。
- Linear・・・ポイント間を直線的につなぐ変化グラフ。
- Curve・・・ポイント間を曲線的につなぐ変化グラフ。
エンベロープ画面の横幅を表示
つまり、長いエンベロープを描きたい場合は、まずここを広げる必要があります。
(注:これ以降のアイコンは、Renoise の画面表示幅が狭い場合は隠れてしまっているかもしれません。
右端にあるデタッチ・ボタンで別窓表示にして表示幅を広げれば現れます。)
エンベロープ全体をカット。
エンベロープ全体をコピー。
エンベロープ全体をペースト。
エンベロープ全体、又は選択した区間のエンベロープ・ポイントを左右に移動。
エンベロープ全体を上下、又は左右に反転させる。
エンベロープ全体、又は選択した区間のエンベロープ・ポイントにランダムな数値変化を与えてヒューマナイズする。
デタッチ・ボタン。このボタンを押すと、エンベロープ編集画面が別窓となって表示されます。その画面は自由にリサイズ可能です。
再度そのボタンを押すと、元の場所に収納されます。
マウスでエンベロープ上をなぞると任意の選択区間が指定出来ます。その範囲に含まれる複数のポイントは、マウスで一括して動かす事が出来ます。
また、右クリック・メニューも役立つでしょう。
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